レトロで新しいハンドメイド・モーション・グラフィックス。マックス・ハトラー「AANAATT」
2008.10.24.Fri
Category : Features / Interview , WS Pickup

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JEMAPUR "AANAATT" dir: Max Hattler
ロンドン在住の映像作家、マックス・ハトラーの新作はWieden+Kennedy Tokyo Labのアーティスト、JEMAPURのミュージックビデオ「AANAATT」。これまで主にモーション・グラフィックスを制作してきたマックスがストップモーション・アニメに本腰を入れて挑戦。フシギなオブジェクトが動き回る、フューチャー・レトロな世界観が楽しいMVを作り上げた!早速、制作の裏側をマックスに聞いてみた。

■100%CGナシ!アナログ・フューチャリズムの世界
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100%アナログの、CGフリーの作品。HDで撮影された美しい映像もみどころの一つだ。
―― この作品のテーマは?
マックス(以下M):テーマは「アナログ・フューチャリズム」と「日々のアブストラクトなできごと」。見慣れたものやそうでない不思議な物質がミステリアスでアブストラクトなヴィジュアルを作り出しているんだ。Jemapurの音楽を鏡のように映像で表現することを試みたんだ。楽曲の1つ1つの音が合わさって新しいエレクトロニック・ミュージックが生まれたようにオブジェクトが合っている。このMVの中で何が繰り広げられているのか、観た人が想像できるような目の錯覚もちょっと加えているよ。静かな音楽と、せわしなく動くオブジェクトたちが醸し出す遊び心と夢うつつな世界観を創り上げているんだ

―― どうしてストップ・モーションで作ろうと思ったんですか?
M: ストップ・モーションの技法はこれまで「Alpraum」やEconomy Wolfのビデオでも使っていたけど、今回の作品は全く違う方向性で挑んだんだ。目指したものは、アナログな方法で作られた未来的もの。そしてアブストラクト性と日々の日常の現実が入っている世界。近頃は実写に3DCGを合わせる映像作品が溢れかえっているだろう? だから、ありふれているものを組み合わせてアブストラクトな世界を生み出したら面白いと思ったんだ。リアルなものだけを使って「NO合成、NO CG、NOエフェクト、100%ハンドメイド」でいこうと決意したんだ!DYIの美学に沿ったやり方で、アナログ・モーション・グラフィックスを試みたんだ。

■ドイツのプロダクツ・デザイナー提供のオブジェクトたち
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撮影アシスタントを務めたのは、マックスの元生徒であるPhilip SerfatyとRodrigo Vives。
―― この飛んでいる物体は一体何ですか…?
M:Hans (Nick) Roericht(ハンス・ニック・ロエリヒト)は僕の故郷ウルムにある、有名な美術学校ウルム造形大学出身で、今はベルリン芸術大学の教授を務める偉大なプロダクツ・デザイナーなんだ。今彼は76歳だけど、こういったおかしなオブジェクトをたくさん保管していて、すごくラッキーなことに、彼はスーツケース2つ分一杯に詰め込んだオブジェクトを貸してくれたんだ!あとは僕のキッチンから拝借した、ポットとか皿とか灰皿たちを使っているよ。

―― 撮影にはどれくらいかかりましたか?
M:撮影スタッフは3~4人で21日間。何日も徹夜が続いたよ…。日本で活躍する実験映像のアニメーター、ノリコ※がすごくアニメーション制作を助けてくれたんだ。彼女の作品は繊細でスタイルがあって、ロストラム・カメラでの豊富な撮影経験をすごく良く生かしてくれたんだ。
オカク・ノリコ。Design Boy / Keiko Tokyo所属。「□□□」(クチロロ)のMV“tonight”アニメーションなどを手がける。
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冒頭シーンの撮影風景。
―― ストップモーションといえば膨大な撮影時間がかかりますよね。一番苦労したシーンを教えてください。
M:やっぱりセットを変えるところ!背景が変わるシーンでは、できるだけオブジェの配置が変わらないようにセットを組みなおさなくちゃいけなかった!アニメを作ることはものすごくヘビーで、予定では毎日数百フレームを撮影しようとしていたんだ。でもセットを変える日は、全く撮影出来なくなってしまう…。撮影する側からどんどん編集して進めていったんだ。

現在マックスはパリで2009年春に出来上がる予定のショートフィルムを撮影中だそう。

JEMAPUR "AANAATT" dir: Max Hattler | Creative Director: + cruz | Animation: Max Hattler、Noriko Okaku


■世界のデジタル・アーティストのパーティ&個展「Future Abstraction」
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そんな多忙な日々を送るマックスが、11月またまた日本にやってくる!2008年5月にロバート・ザイデルと共に行った40日間以上にわたるビジュアル・ツアーの記憶も新しいなか、今回は12月5日(金)にアップリンクから発売予定のDVD「マックス・ハトラー VS ロバート・セイデル」を記念してのイベント「Digital Dreams」と東京・新宿のギャラリー&サロン、SOMEONE’S GARDENでの個展「Future Abstraction」が開催される。

11月1日(土)の「Digital Dreams」はアップリンクとMinimal Tokyoによる共同プロデュース・イベント。マックス、アマンダ・ロペス(スペイン)、スパイエルフィルム(東京)ら、世界のデジタル・カルチャーの最前線で活躍するアーティストを迎えて映像の上映、DJなどを行う盛りだくさんのイベント。「マックス・ハトラー VS ロバート・セイデル」を一足先に観ることができるほか、マックスのアーティスト・トークも開催する。11月2日(日)からの「Future Abstraction」では初日にマックスが出演するオープニングパーティが行われ、その後2週間にわたってJEMAPUR "AANAATT"の上映が行われる。さらに11月4日(火)のGOOD & EVIL MUSICが主催する「GOOD & EVIL NIGHT vol.7」ではオカク・ノリコとVJを行う予定になっている!

MAX HATTLER exhibition 「Future Abstraction」
日程:2008年11月2日(日) - 15日(土)
時間:20:00 - 23:00
入場料:無料
会場:ギャラリー&サロン SOMEONE’S GARDEN
東京都新宿区新宿2-8-10 日進ビル4F/Tel. 03-6909-4179
■SDLX6周年 w/UPLINK & Minimal Tokyo "Digital Dreams"
日程:2008年11月1日(土)
時間:開場:20:00/開演:20:30 - 5:00am
入場料:1000円
会場:スーパーデラックス
106-0031東京都港区西麻布3-1-25 B1F TEL: 03-5412-0515
■ GOOD & EVIL NIGHT vol.7
Special Guest VJ Max Hattler + Noriko Okaku

日程:2008年11月4日(火)
時間:18:00 - 23:00
入場料:1000円
会場:Solfa
東京都目黒区青葉台1-20-5 oak build. B1F Tel: 03-6231-9051
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