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2009年10月 アーカイブ

2009年10月01日

ガーナから届いたキャドバリー×The Millのカカオ味MV「Zingolo」

Cadbury Dairy Milk "Zingolo" dir: Ringan Ledwidge|agency: Fallon, London |post production: The Mill, London
「ゴリラ」や「眉毛ダンス」など、ユニークなCMでおなじみのUK菓子メーカー"キャドバリー"より、新作ビデオ「Zingolo」が登場。このたび起ち上げられた音楽レーベル「Glass and A Half Records」の記念すべきファースト・シングル「Zingolo」のスペシャル・ミュージック・ビデオだ。

ビデオの舞台はアフリカ・ガーナ。巨大なカカオ農園の看板をペイントする画家の前に、ガーナの木や布などで出来た巨大な顔が出現する。顔はカカオ豆を引き連れてガーナのダウンタウンに飛び出すと、屋根の上にカリスマ・シンガーのTinnyが現れて歌いだし、町の人を巻き込んでパーティを繰り広げる。

エージェンシーはロンドンのFallon、映像監督はRattling StickのRingan Ledwidge(リンガン・レドウィッジ)、特殊効果はCGプロダクションThe Mill ロンドン。Tinnyには星が飛び出すちょっとレトロなエフェクトを施し、なるべくローファイな雰囲気が出るように工夫した。撮影も含めて4週間という強行スケジュールで膨大なCG処理を行わなくてはならなかったため、最後の現場は狂気に包まれていたという…。

本作品の目的は、キャドバリーとガーナのカカオ農園との101年に渡る取引と、フェア・トレードの開始を記念することでもある(実は巨大な顔にくっつくカカオ豆の数は101個)。フェア・トレードとは経済格差のある国同士の貿易において、搾取しないフェアな取引を行うこと。カカオの香りたっぷりの陽気な映像&音楽をどうぞ!

NYのLegs新作、3.65メートルの巨大ゾエトロープ映像!

Temperley London Circus Zoetrope dir: Greg Brunkalla、Georgie Greville、Geremy Jasper|agency: Legs 撮影のビハインドザシーンはこちらでどうぞ。
肉人形「パペット・ピート」や、ビョーク+ランボーなヒロイン、エレノアちゃんが登場するダイエット・コークのCM「Eleanor」など強烈な個性派CMを次々手がけるNYのクリエイティブ・プロダクションLEGS。彼らの新作は、12フィート(3.65メートル)もの高さを持つゾエトロープを使った映像作品「Temperley London Circus Zoetrope」だ。サーカスをテーマにした、クラシックなゾエトロープ・アニメーションが巨大な装置の上で繰り広げられる。

これはファッション・ブランドTemperley London(テンパリー・ロンドン)の、ニューヨーク・ファッションウィークとロンドン・ファッションウィークのショーのために制作された作品。テンパリー・ロンドンから「映像インスタレーションを用いた、新しいコレクションの見せ方を考えて欲しい」という依頼があり、ゾエトロープのアイデアを思いついた。

このゾエトロープは10段に分かれており、それぞれの段に異なったスタイルの連続写真がプリントされている。ゾエトロープが回転木馬のように回ることによって写真がアニメーションする仕組みだ。このゾエトロープのためにアーティスト、エンジニア、建築家らが集結し、1ヶ月をかけて制作。写真素材にはレッドカメラで撮影した広告映像から抜いたスチル画像を使用した。本映像の撮影はNYのMILK studiosで二日間かけて行われた。60フレーム、5秒間のストップモーション映像を1/1000のシャッタースピード、12fpsで撮影した。ゾエトロープを上下に行き来するビデオカメラはリモコンで制御し、リアルタイムでプロジェクターに投影している。

なんとこの巨大ゾエトロープ、NYからロンドンへ旅をし、それぞれのファッションショーで活躍したそう。新しいランウェイの形をお楽しみください。

2009年10月02日

ホワイトスクリーン特選!新作個性派モーション・グラフィックス

海外新作ビデオより、ホワイトスクリーンオススメの個性派アニメーション作品をピックアップ!

■フレンチ・デュオAIR新作MVはレトロアニメ
AIR "Sing Sang Sung" dir: Jean-Francois Moriceau &Petra Mrzyk
アンニュイなエレクトロ・ポップスで世界的な人気を誇るフレンチ・デュオ、AIR。彼らの新作MV「Sing Sang Sung」が登場。70年代風のソフト・サイケデリックな背景を、黒いボールが駆け抜けていく。「スーパーマリオ」や「ソニック」のようなTVゲームの世界を彷彿とさせる、リズミカルなアニメーションが心地よい。監督はフランスのアーティスト・ユニットJean-Francois Moriceau(ジャン・フランソワ・モリソー)&Petra Mrzyk(ペトラ・ムザク)。二人は1998年から共に活動し、世界中の美術館でパーマネント・コレクションになるなど高い評価を受けるアーティスト。

■ミラノのボンサイニンジャが贈る80'sMV
Fare Soldi"Survivor" dir: BONSAININJA
日本に影響されまくりの名前が印象的なイタリア・ミラノのクリエイティブ集団、ボンサイニンジャによるMV「Survivor」。80年代テイストむんむんのギラギラしたモーション・グラフィックス作品。

■400のレイヤーが迫りくる「A Growing Pile Of Work」
"A Growing Pile Of Work" dir: Siggi Eggertsson
こちらは溶けるような独特のテクスチャが話題を呼んだローファイMV「Supernova」のSiggi Eggertsson(シギ・エグルトソン)監督のプロモーション・フィルム「A Growing Pile Of Work」。監督が2003年からの6年で生み出した400ものイメージをコラージュしたデジタル絵巻。After Effects上で400個のレイヤーと死闘し、コンピュータを壊しかけながら生み出した渾身の作品を見よ!

顔出しNGのビデオコンテスト「HP You On You」人気の理由とは?

Motion TheoryやPSYOPによるモーション・グラフィックスが冴え渡る名作CM「Paulo Coelho」や「Maestro」を生み出してきたHPが、この夏YouTubeとタッグを組んで動画コンテスト「HP You on You」を開催。このコンテストでは"顔を見せないこと"を条件に、「あなたがどんな人か説明してくれる」ショート・ビデオを募集。賞金総額30万ドルを賭け、実写からアニメまでさまざまな趣向を凝らしたユニークなビデオが寄せられた。「顔を出さない自己紹介」というテーマが功を奏したのか、なんと応募総数は1,900作品!熾烈なコンテストを勝ち抜いた勝者たちの作品をどうぞ。なお、最終選考に残った24作品はこちらで視聴することができる。

"Life is My Adventure - Lucas" 勝者となったのはUSのLucasさんによる「Life is My Adventure」。「Paulo Coelho」の自主制作版といった感じで、ハンググライダーや山登りに熱中する日々をテンポ良く語る。
"HP You on You: My Utopia" 第二位はイギリス在住PJさんの「My Utopia」。友人に囲まれ、好きな映像を作っている日常をWebカム映像とアニメーションで表現している。
 

2009年10月03日

書籍「マッケンドリックが教える映画の本当の作り方 」を読者プレゼント!

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マーティン・スコセッシ、ティム・バートン、ジョン・ラセター…偉大な監督たちに影響を与えた伝説の映画作家、アレクサンダー・マッケンドリック。「最後の映画人」と呼ばれる彼が人生のすべてを賭けて書き下ろした映画の教科書「マッケンドリックが教える映画の本当の作り方」がフィルムアート社より発売中だ。

映画「マダムと泥棒」やニューヨーク・ノワールの傑作「成功の甘き香り」を監督し、作家として高い評価を確立したが、興行的には恵まれなかった。1969年、映画業界から突如身を引き、当時設立準備中にあった名門カルアーツ(カリフォルニア芸術大学)の教育プログラム確立に参加。それから亡くなるまでの25年間、学部長および一教師として教育に情熱を注いだ。同大学は、今日も彼が当時確立したガイドラインに沿って運営され、多数の優秀な人材を輩出している。

この書籍は映画をどういう方法論で撮ったらいいのかわからない人や、撮影アイデアを発見できない製作者、そして映画を深く愛する映画ファンに向けられた珠玉のエッセンス集でもある。悩みながらも映画への情熱を持ち続けるすべてのクリエイターたちを励ましてくれる一冊となるだろう。

■読者様に書籍プレゼント!
ホワイトスクリーンでは、この「マッケンドリックが教える映画の本当の作り方」を読者2名様にプレゼント!応募ご希望の方は、コンタクトフォームより希望書籍名と名前・住所・電話番号を明記してどしどしご応募下さい。締切は2009年10月16日(金)とさせて頂きます。※プレゼント応募受付は終了させていただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。

■マッケンドリックが教える映画の本当の作り方
発売中
ISBN:978-4-8459-0936-0
定価:2,940円
出版社:フィルムアート社

2009年10月04日

Web界のアカデミー賞「The WeBBY Awards」第14回、作品エントリー開始!

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「The WeBBY Awards」(WeBBY賞)
"Web界のアカデミー賞"と呼ばれ、世界で最も高い評価を受けるWebアワード「The WeBBY Awards」(WeBBY賞)が作品募集を開始!本アワードは「International Academy of Digital Arts & Sciences」(国際デジタルアート&科学アカデミー)主催で1996年から行われており、今回で14回目。IT関係者や知識人からなるアカデミーメンバーが選考する「WEBBY賞」と、一般投票の「ピープル・ボイス賞」がある。2009年はWebサイト部門にて映画「Coraline」Webサイトがベスト・アニメーション/モーション・グラフィックス賞を受賞した。今年から環境プロジェクト部門の「グリーン」が新設。10月30日(金)までの応募者にはアーリー・エントリーとして、割引料金でエントリーすることができる。世界のオンライン・プロジェクトの最先端が集結する本アワードを見逃すな!
「The WeBBY Awards」
授賞式開催時期:2010年6月
早割締切:2009年10月30日(金)
募集作品:Webサイト、インタラクティブ広告・メディア、オンライン・フィルム、モバイルWebサイトなど
エントリー料金:エントリー料 1カテゴリ $255 USD他
応募方法:Webサイトよりエントリー 問合せ:問合せフォームより

売り切れ必至!インスピレーションの嵐「世界のCMフェスティバル」

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世界中から選りすぐった個性派CMをオールナイトで楽しもうというイベント「世界のCMフェスティバル」が今年も開催!新宿・歌舞伎町の新宿ミラノ1にて、2009年10月23日、24日(金・土)の二日間に渡って開催される。

上映されるのは、パリのジャンマリー・ブルシコフイルムライブラリーにて30年以上かけて集められた70万本ものCM作品より選ばれたベストセレクション500本。1981年より「La Nuit des Publivores(CM食らい放題の夜)」として世界ツアーを行っており、日本では1999年以来10年にわたって毎年開催されている。チケットは毎回売り切れという大人気のイベントだ。刺激的な海外CMをどっぷり楽しめる一夜になるだろう!
■世界のCMフェスティバル
日程:2009年10月23日、24日(金・土) ※公演内容は両日とも同じ
時間:開場22:00、開演22:30、終演5:30
料金:前売指定席4,500円、前売自由席4,000円、当日自由席4,500円
会場:新宿ミラノ1
新宿区歌舞伎町1-29-1 TOKYU MILANOビル

2009年10月05日

お騒がせ?!ディーゼルからソニーまで、新着バイラルビデオ選集

新着バイラルビデオより、人気の作品をピックアップ!

■お騒がせのディーゼル新作バイラルは「首だけ人間」
"Quique The Head" agency: Shackleton
YouTubeで公開されているドキュメンタリー映像「Quique The Head」は、頭部だけのびっくり人間、Enrique Carboni Jr.(エンリケ・カルボーニ・ジュニア)さんの生活を追うものだ。1982年、アルゼンチンで生まれた彼は、生まれつき首から下がなかったもののすくすく育ち、現在は建築事務所で働いている。同僚からペーパーウェイト代わりに使われることもあるが、ちょっと変わったガールフレンドもいて幸せそう。そんなエンリケさんに、医師から「体を移植できる」という知らせが。早速ホームページで「肉体の寄付」を募ったが…。

その全貌は、ディーゼルが発売したヘルメット「Diesel Helmets」のプロモーションのためのバイラルビデオ。公式Webサイトでは「肉体画像」の募集が行われているほか、舌技が自慢だというエンリケさんの"舌トレーニングiPhoneアプリ"(!)も近日リリース予定だそう。

■闘牛×サッカーの新しいスポーツ?!
SONY "Amazing footballers jump bull"
こちらはSONYが2009年9月から世界7都市でスタートしたイベント「トワイライト・フットボール」のバイラルビデオ。トワイライト・フットボールのため、闘牛とサッカーで遊ぶアスリートたちの練習風景が映し出される…。「トワイライト・フットボール」は2010年南アフリカで開催されるワールドカップに向けたイベント。試合で撮影した写真をFlickrで募集するコンテストも開催されている。

■ローカル寝具店、社員総出でマットレス・ドミノ
Bensons for Beds "Mattress Dominoes World Record Attempt"
UKの寝具店「Bensons for Beds」が、マットレスを使ったドミノ倒しの世界記録に挑戦!倉庫をフルに使い、社員総出で果敢にチャレンジしてしまっているのがいかにも。

■ミツバチvsラップトップ
"Amazing Bees The incredible flying laptop"
こちらはラップトップPC(シンクパッド)にノリを塗って、蜂の巣に入れるとラップトップが浮かび上がる…!という実験映像。実はラップトップPCの軽さをPRするバイラルビデオだった。

ウサギMVでおなじみのPleix監督、最新CMもウサギが登場!「Bunny Fusion」

Duracell"Bunny Fusion" dir: Pleix
グルーヴ・アルマダのウサギミュージック・ビデオ(MV)「GET DOWN」を手がけたフランスのPleix(プレックス)より、電池メーカー、デュラセルの新作CM「Bunny Fusion」が登場!今回もウサギをフィーチャーしている。空の上の世界にデュラセルのマスコットキャラクター「デュラセル・バニー」が何千匹も現れ、車やお相撲さんにトランスフォームするという強烈な印象を残す作品だ。

エージェンシーからの要望は、「かわいいウサギが力強いものに変身する」という内容。プレックスではバニーの見た目をアナログに再解釈した。モデリング、アニメーション、レンダリングなどはほぼAutodesk 3DSMaxを使用。 他にも何千匹ものうさぎの挙動をコントロールするためにThinking Particles、レンダー用にVray、滝のシーンではRealFlowを使用している。

苦労した点は、データの重さ。登場する何千匹ものウサギはそれぞれが個体の動きも持っているため、竜巻と相撲取りのシーンでは何十ギガバイトものメモリーキャッシュがフレームごとに発生し、オーバーフローをおこすことも度々だった。しかし最も難しかったのは、これだけの情報量がありながら視覚的に忙しすぎず、せっかちすぎない映像にすること。空の色を抑え目にし、淡色の太陽光、ほのかな影をつけたりとシンプルなライティングと背景にするなどの工夫を行っているそうだ。ほか、プレックスの個性ゆたかなCM、MVたちは公式Webサイトにて。

2009年10月06日

テクノロジーとカルチャーの実験場。ウルトラテクノロジスト集団チームラボ

面白い順に検索結果が表示されるオモロ検索エンジン「サグール」や、ケータイの新しいコンセプトモデルau design project「actface」、パリ・ルーブル宮で開催された「感性展」の映像インスタレーション「アニメーションのジオラマ:花と屍」、そしてWebサイトのインターフェイスが落書きできるゲームになる最新版オリジナル・Webコンテンツ「SKETCH PISTONシリーズ」。「SKETCH PISTON3」は日テレダベアサイトで登場。主にネット系の媒体で増殖し続けるチームラボの作品群。ネットワーク社会の中で異彩を放つ彼らを訪ねて、 ホワイト・スクリーンスタッフは、会社のある本郷三丁目へ向かった。駅から歩くこと数分、閑静な文京地区の一角のとあるビルに入るとそこは彼らの実験場だった。

■「アートっていうか実験です」
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(左)チームラボ クリエイティブ・ディレクター ワタナベケンイチ氏|(右)チームラボ代表 イノコトシユキ氏
産経デジタルのニュースとブログが融合した、双方向ニュースサイト「iza」など大規模なシステム&サイト開発を手がけ、ウルトラテクノロジスト集団と称される精鋭集団チームラボ。システム開発を中心としたビジネスに特化した会社でもおかしくない。が、映像やインスタレーション作品の制作などのクリエイティブな活動も精力的。その理由を聞いてみると…。

――テクノロジーに入り込むとアートになかなか寄っていけないところがあると思うのですが、チームラボはそのバランスが絶妙ですね。
イノコトシユキ(以下イノコ):単純に、テクノロジーも、アートも、デザインも、区別していないんです…(イノコ氏、妄想タイムへ)。

ワタナベケンイチ(以下ワタナベ):アートを創ろうとして創ってなかったんですよ。アーティストじゃないので…。"実験"ですよね。

イノコ:実験!そうだ。実験だ!

ワタナベ:「見てみたいな」と思って「空書」とかやってましたからね。

イノコ:「見てみたいな」とか、「本当にできるのかな?」とか、「本当はどういうことなんだろう?」とかっていう実験。「空書」だったら、「書」は、元々、3次元的深さや、4次元的速度の表現を持っているんじゃないかなと思っていて、今までは、たまたま紙だったから、しょうがなくああいう風になっていたんだけど、昔の人は、書を空間的に見ていたんじゃないかな?メディアが変わったんだから、3次元的、4次元的に表現しても、ちゃんと違和感なく、書だと感じるんじゃないかなあと。

ワタナベ:課題が沸き起こってきて、それを解決するっていうのあるよね。

■クライアントワークとアート作品の境界で
NHK番組「美の壺」オープニング映像 (c)チームラボ/NHK 映像制作:チームラボ|書:柴舟
イノコ:チームラボは、クライアントワークとアート作品の二つの境界も、凄く曖昧にしています。例えば、空間に書を描く「空書」プロジェクトや、3DCGで、空間に立体物を創り、それを空間上で動かしているにもかかわらず、観念的だとか、平面的だとされている水墨画や大和絵のような表現でアニメーションする「水墨空間」プロジェクトや、「大和空間」プロジェクトがそうです。 この一連のプロジェクトを応用して、NHKの美の壺という番組のオープニング映像「空書 美の壺」を制作しました。全ては、3D空間に書や植物などを配置して、基本カメラの視点だけを動かして映像にしています。書は書かれていっていますが、書かれた墨跡が空間の中で動いているわけではありません。あらゆる瞬間でカメラを止めて静止画で出すと平面的な絵や書に見えますが、全ては立体的なオブジェクトが配置された空間です。

僕らにとって、クライアントワークもアートも曖昧にしているということは、どういうことかというと、アートというジャンルを、「未来のヒント、もしくは現在の問題を解決するヒントになるかもしれないこと。だけど、アウトプット先として産業の受け皿がないようなもの」と勝手に定義しているんです(笑)。アートの文脈も、現在のアートマーケットがどういう風に動いているかも知らない。産業の受け皿がなくても、未来のヒントになるようなものがいっぱい出てきた方が、社会全体にとっては絶対良いので、きっと、アートというジャンルが、その受け皿になってくれるはずだと、そして、本当の意味で知的でステキな人がそういうものを評価してくれるだろうと、全く根拠なく思っています。なので、いわゆるクライアントワークとして、それができるのであれば、それはそれで全くいいのです。アートマーケットで値がつきやすくするために意識して創るとか、わざわざ手で作って1点物にするということは、僕らにとってはどちらでもいいことなのです。

■日本美術には、西洋社会のパースペクティブとは違う論理による空間が存在している
イノコ:「水墨空間」や「大和空間」のプロジェクトを少し説明すると、僕らは、日本美術の平面には、西洋社会のパースペクティブとは違う論理による空間が存在していると考えていて、そのような考えの基、絵ではなく、まず、空間に立体物として創っていき、どのような角度から見ても、日本美術的な平面化が起こるような映像を創っています。西洋文明が入る前の日本人の空間認識を探りながら、その認識で昔の日本人が水墨画や大和絵を描いたように。逆にいうと、空間や立体物から、論理構造で、水墨画や大和絵のようなアニメーションを創るプロセスによって、西洋文明が入る前の日本人がどのように空間を認識していたか知ることができたらいいな、と思ってやっているプロジェクトです。

昔の日本人は、普通に空間が水墨画や大和絵のように見えてたんじゃないかなと思っていて、つまりそれは、水墨画や大和絵を見て、平面的な絵だとは思わずに、空間を感じていたんじゃないかと思っています。今の人がパースペクティブがある絵や写真を見て空間を感じるのと同じように。

パースペクティブの論理は、レンズになり、カメラになり、そしてビデオカメラになって、今の実写の映像はその論理でできているけれど、それは、たまたま、家にテレビがあって、放送によってコンテンツを受け取るというマスメディアみたいなものとすごく相性がよかっただけで、これからの新しいメディアやコンテンツ(インタラクティブなコンテンツやゲームとか、もしくは空間そのものがメディアになったり、デジタルサイネージだったり)には、日本美術の平面にある空間認識の論理が相性がいいこともあるんじゃないかという思いがあって、そして、それは、これからの社会のなんらかのヒントになるんじゃないか、そういう仮説を実際に創っていくことで探っていくというプロジェクトなんです。

例えば、すごくいい景色があって、自分で写真に撮ろうとして、デジカメに写っている部分を見ると、なんかすごい違和感があって。脳が矯正されそうで、すごい嫌で。そんなこと言うとおかしい人みたいに扱われるんだけど、「そんなことない!」って思っていて、そういう部分が動機かも知れないんですけれど…。 僕は、テレビも実写の映画もあまり見ず、写真を撮ることをほとんどせず、先生に絵を習うこともなく、代わりに、ジャンプとファミコンで育ったり、田舎だった割にすごい歴史のある場所で生まれ育ったから、均質な物体が等間隔に長く並ぶような空間がたまたまなかったり、小学校の裏が日本では珍しい原生林の小さい山だったり、一人っ子だったから、そういうところで、虫や魚を取る一人遊びをよくしてたり、そういうことがさっきの写真の違和感の原因だったりするんだと思う。

でも、これからの人たちは、テレビや映画の影響が、前の世代の人たちに比べて極端に減っているから、僕みたいに思う人が増えてくると思う。実際、ネットユーザー達は、かわいい女の子の画像くださいっていうとき、3次元(写真)か、2次元(いわいる日本独特のアニメ絵)か指定しているもん。昨日ネット見てたら「3次(女の子の写真のこと)も悪くないなって思える画像ください」ってタイトルがあって、つまり、アニメ絵の女の子の方が、写真の女の子よりカワイイって感じてるってことが、前提になっているってことだよね!

あ、それから、勉強は、数学と物理しか全くできなくて、大学や大学院が、数学色が強い学科だったり研究室だったから、空間を認識するってのは、(時間も含めて)4次元情報で絵や写真は2次元情報で、4次元情報を2次元情報にする絶対的な方法なんて当然ないことを知っていたり、方法によって、長所と短所が普通にあることを知っていたり、そういうのも関係するかもしれないね。

■日本文化の正統後継者はTVゲーム?!
イノコ:ジャンプとファミコンばかりで育ったことも、原因だっていう話なんですけど、日本の文化の本質的な意味で正統後継者は、マンガやゲームだと思っています。

例えば、ドラクエとかマリオって、それぞれ全然違う人が創ってるはずなのに、空間の描き方の論理が一緒なんですよね。例えば、ドラクエのマップも、スーパーマリオの3作目とか4作目のマップの空間の描き方のルールが一緒なんです。僕たちがいつも正面から見てる物は真正面から描いて、上から見てる物は真上から描いて、中に入れる空間があるものは真正面から見たときの絵に、真上から見たときの絵が合成されている大和絵とかと、ほとんど同じルールで空間を描いている。違うのは、大和絵は、真横から見た絵も合成されているんだけど、ドラクエとかマリオとかは、真横がない。大和絵は、絵巻物に典型的に見られるんだけど、絵巻物が、右から左へ、視点を動かしながら見ていくものだから、真横の絵を合成してたんだと思うんだけど、ドラクエとかマリオとかは、ゲームなので、インタラクティブにユーザーが操作するから、視点の移動がどうなるかわからない。だから、たぶん、真横が省かれていて、でも、たぶん、そういう論理的に考えてそうしたわけではなくて、日本の空間認識みたいなものを普通に無意識に受け継いでいて、インタラクティブなコンテンツで、普通に空間を表現したら、そうなったんだと思うんですよ。大和絵のような空間表現は、客観的な物理的情報を失っているのですが、主観と客観が曖昧で、登場人物の視点と鑑賞者の視点が表裏一体になっているため同化しやすく、鑑賞者が絵の世界に没入したり、自分の世界に戻ってきたりしやすんです。だから、そういう空間表現を受け継いだファミコンゲームは、圧倒的に世界中を夢中にできたんだと思うんです。

話がそれましたけど、マンガやファミコンで育ったから逆に、実写や写真やパースペクティブに違和感があって、大和絵や水墨画のような日本の空間表現に興味が出て、昔の日本人は、どう見えていたんだろうっていうのに興味が出たんだと思います。

■テクノロジーと文化をどう融合させるか
日仏交流150周年記念 「感性kansei Japan Design Exhibition」 の映像インスタレーション「アニメーションのジオラマ・花と屍」
2008年12月に仏パリ、ルーヴル宮国立装飾美術館で開催された、経済産業省と日本貿易振興機構(JETRO)主催の日仏国交150周年記念パリ感性展にて、12対のLEDディスプレイのインスタレーション作品として展示。2009年にはニューヨーク国際現代家具見本市で巡回展示。
コンセプト & アートディレクター: 猪子寿之|メインアニメーター:鈴木庸平|アニメーター:伊藤篤史|モーショングラフィックスデザイナー:青木良憲|サウンドディレクター:椎谷ハレオ|作曲 & ミキシング & レコーディング:阿尾茂毅
来場者は空間を自由に動き回りながら、展示作品(日本のプロダクト)を見るという会場の構成に合わせたビジュアルインスタレーション。12対のLEDディスプレイがひとつながりの映像を映し出し空間を構成する映像インスタレーション。来場者はその物語空間を自由に動き回りながら鑑賞する。各LEDディスプレイの後ろにプロダクトが展示されている。

――この「花と屍」はどのように生まれたのでしょうか?
イノコ:通常、実写や3DCGの映像はパースペクティブで描かれているのですが、パースペクティブは消失点があるため、鑑賞者の位置が一点に特定されるんですね。今回は、空間を自由に動き回りながら映像を見る為、映像の中の空間が事実的に歪んでしまうんです。

僕らは、日本の絵巻物などに見られる大和絵のような空間表現による映像が、実空間で映像を展開するときに、パースペクティブで表現される映像よりも相性がいいと考えていました。日本画は消失点がなければ、鑑賞者の位置も決まらず、どの位置から見ても歪まない。鑑賞者が自由に移動できる実空間に、映像の中の世界を展開する場合、日本的な描き方の方がずっと適切なんじゃないかと。襖絵の発達とかも、それが理由なんじゃないかと思っているのです。それで、実験してみたかったのです。3DCGで物語空間を創って、登場人物達がその空間で動いて、その物語空間を12個のカメラで、日本の空間認識の仕方のように、切り取って、パリのルーヴル宮内の実空間に、12個のディスプレイで展開しました。

――「花と屍」は3D空間にCGで約1年掛けて描いた作品とのことですが、オリジナル物語の背景を教えてください。
イノコ:日本は文学と美術が分離していないと思っています。例えば、書は美術とも言い切れないし、文学とも言い切れない。書は、もちろん美術的要素も重要ですが、誰がいつ何を書いたかも重要だったりします。それは文学ですよね。マンガも文学ですが、美術とも言えます。大和絵も、絵巻物に典型的に見られるように物語を表現する絵。なので、今回もまず物語を作ろうと思いました。海外で日本のプロダクトを展示する空間なので、それぞれのプロダクトの背景には、日本の長い歴史があって、独自の考え方を発達させてきて、それを我々は受け継いでいる。そういうものがあるから、今こういうプロダクトができているんだっていうのを、なんとなく感じてもらえる空間にしたかったのです。それが感じられる物語の世界に入って、その世界の中で、展示されたプロダクトを見ていってもらいたいと思ったのです。

2000年前まで世界の70%が森林だったといわれていますが、今、世界の森林率は30%くらいです。日本国土の約70%が森林というのは、先進国ではありえないくらい高い。イギリスなんて8%ですから。日本ももちろん大昔から森林を大量に伐採してきました。大量に伐採してきたのに、今でも約70%が森林ということは、抑制したり、植林したりしてきたということです。徳島では千年以上前には、魚付き林としてクロマツ林が造られた記録が残っているんです。魚付き林というのは、海の魚がいっぱい獲れるように森を守ったり造ったりするということなんですけど、海の魚をいっぱい獲るために森を造るってすごい発想ですよね。

つまり、日本は循環モデルによって、自然と文明の両方を肯定してきた稀有な国。自然を破壊しまくった西洋とは全く異なった考え方で文明を発達させ続けてきたんです。例えば、神話の時代に、ヤマタノオロチが出てきますよね。ヤマタノオロチは、目は真っ赤で背中には苔や木が生え腹は血でただれ8つの谷8つの峰にまたがるほど巨大だと表現されています。 当時の最先端技術は製鉄で、製鉄には火が必要なので、大量に木を伐採します。ヤマタノオロチの腹が血でただれているのは、製鉄によって、川が濁った様子を表している。つまり、ヤマタノオロチっていうのは、製鉄が行われている場所で起こった洪水のことなんです。木を切りまくると洪水が起こりやすくなる=森が怒ってヤマタノオロチ(洪水)が出てくると思われていた。ヤマタノオロチを退治したのは、スサノオです。スサノオは、大地に木々を茂らせた植樹の神でもあるので、植林によって森を蘇らせて治水したということです。文明(製鉄)は素晴らしいから止めるわけにはいかない。でも、ヤマタノオロチは怖いから、木を切った分、木を植えよう!木を植えたら洪水が起こらないことを知って、循環モデルになったんじゃないかな。江戸末期まで、日本はありとあらゆるところで、循環型のモデルを発達させていくんです。そういう意味で、日本が長い歴史の中で培った考え方みたいなものに、これからの時代のヒントがあるんじゃないかなと思っていて、物語は、そういうことがなんとなく伝わればいいなと思って作りました。

■情報化社会前に重要だったり正しかったりすることは、全部、重要じゃなかったり間違っている
au design project「actface」
――チームラボのプロジェクトをみていると、システム、Web、映像と、多岐に渡っていますね。どの辺まで網羅しているんですか?
イノコ:アウトプットしているジャンルやメディアは違うけれど、僕らはそんなに区別していない。クライアント企業の売上を飛躍的に伸ばすことも、ブランド力が上がることも、展示空間を来場者にとって特別なものにすることも、会社の生産性をあげたり、働いている人の創造性をあげたりすることも、プロジェクトごとに目的は違っても、何かを創ることによって解決するということです。小難しい戦略をコンサルティングすることでもなければ、媒体をいっぱい買うことでもなく、とにかく、ヤバイものを創るということです。情報化社会というのは、どんな目的であろうと、どんな問題であろうと、ヤバイものを創れば解決すると思っています。逆にいうと、それがなければ、何も解決しないと思っています。

――情報化社会と言いますと?
イノコ:つまり、インターネット以後の社会です。情報化社会になってあまりにも多くのことが変わりました。まず、情報の流通コストがほとんどゼロになりました。全ての人類が自由に情報を発信でき、全ての人類が自由に情報を享受できる社会です。ほんとうにすごいことです。それによって、いろんなことが変わりました。重要なことが全く変わりました。情報化社会前に重要だったり正しかったりすることは、全部、重要じゃなかったり間違っていると言っていいほど変わりました。

それから、全ては情報なので、これまでと違って、ありとあらゆることにテクノロジーが切っても切り離せなくなりました。なので、チームラボも、テクノロジーをベースに置いています。テクノロジーの専門性はすごいスピードで深くなっていっているにも関わらず、前よりも境界線の切り分けが不可能になっています。デザインとテクノロジーも切り分けられません。そのような時代で、何か考えたり、何か創ったりするのに必要なスペシャリストの集合体がチームラボです。スペシャリストの専門性は、ソフトウェアプログラマ、DB、アーキテクチャー、インターフェイスエンジニア、サーチエンジニア、ネットワークエンジニア、ロボットエンジニア、数学者、画像処理、音声処理、建築家、CGアニメーター、デザイナー、画家など、ほんとうに多岐に渡ってます。

――クライアントと直のプロジェクトが多いようですね。
イノコ:ほとんど、そうですね。ポリシーではなく、結果としてそうなってます。世界の競争の中で、圧倒的な結果を出されている多くの企業から、直接、問い合わせを頂いたりするのですが、所謂、広告代理店や、コンサルティングファームなどから問い合わせが来ないんです。前の社会で活躍しすぎたから、思想が違うからかもしれませんね。優秀な企業の担当者の方が、積極的に、情報化社会にあった考え方に変わろうとしているのかもしれません。

■プリクラのようなもの
イノコ:前の社会だと、クリエイターの仕事といえば、みんなが興味ある完成品を作ることだったと思うんです。マスメディアしかなかったわけですから、みんなが興味ある完成品をマスメディアで流す。それが、もっとも正しくユーザーに興味をもってもらえることだったと思うんです。だから、とりあえず、有名人とかが必要で。

でも、そんなことは残念ながら過去のことで、今や、完璧なカッコイイものやスターにユーザーはあまり興味がない。オリコン週間シングルチャートの20位が3,000枚を割る時代なんです。 ユーザーは「すごいとされていること」を崇めるよりも、ユーザー自身ができなかったことができるようになった方がうれしい。 スターが出ているカッコイイ広告なんかに、誰も、あんまり興味ないけれど、ニコニコ動画で、自分で、映像を放映できるようになったことや、今まで誰も聞いてくれなかった独り言をなぜか聞いてくれるようになったTwitterや、可愛い女の子のボーカルの音楽が作れるようになった初音ミクには夢中なんです。かっこいい完璧なプロダクトデザインのケータイを買うよりも、自分でかわいくデコレーションできる方がうれしかったり、世界中のユーザーが創ったソフトウェアを自由に使えるプラットフォームがあるケータイの方がうれしいんだと思います。

デザイナーの役割も変わったと思ってるんです。 僕は、プリクラがスゴイと思っていて、ユーザーは、何の制約もなく本当に自由に写真を撮って自由に落書きをしているつもりなのだけれど、どんなユーザーでも、最終的な写真全体のアウトプットがかわいくなる。クオリティがある一定以上になる(他人に見せたくなる)、そういうツールみたいなものをデザインすることが、今後のデザイナーの役割なんじゃないかなと思っています。

■Webサイト?それともゲーム?「SKETCH PISTON」誕生秘話
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「SKETCH PISTON Ver.1」
「SKETCH PISTON Ver.1」は、idu+のコーポレートサイトとして、Ver.2はマンガ家タナカカツキとコラボして、最近オープンしたSKETCH PISTON3は日テレの新キャラクター「ダベア」のサイトとして登場した。「SKETCH PISTONシリーズ」は、それ自体が、サイトでもあり、ユーザーインターフェイスでもある、Webページにラクガキできる不思議なゲーム。いろんな企業のWebサイト上でリリースしていきながらシリーズ化している。

――スケッチピストンを開発するきっかけは?
イノコ:子供の頃は誰でも絵を描くのが楽しかったのに、大人になると描かなくなる。絵が上手くないと楽しくないからです。でも、本当は、絵が上手くなくても、描くことは楽しいことだと思うんです。スケッチピストンは、絵が上手く描けなくても、子供のころみたいに落書きしたり描いたりすることが、もう一回楽しくなるようなツールができればいいなと思って創りました。

――依頼主であるidu+さんからの内容はどういうものだったんですか?
イノコ:「面白いコーポレートサイトを制作してほしい、(idu+さんの)お客様が見て、何か新しいことをやってくれそうと感じたり、新しいことをやりたいと思うような人材が来てくれたりするコーポレートサイト」という依頼が来たんです。idu+さんは、都市開発をするような会社で商品があるわけでもないし、予算も限られていて、どうしようかなって考えたんです。商品がない企業のコーポレートサイトや、キャンペーンサイトって、なかなか人が来てくれない。そこで、このプロジェクトを勝手にゲームのタイトルにしようと。スケッチピストンっていうのは"企業のWebサイトでリリースしていくゲーム"。広報的にもidu+さんのコーポレートサイトでSKETCH PISTON1をリリースします、と発表しました。こういうプロジェクトって、時間も限られているし紙の仕様書で説明がつくものでもないし、そもそも僕ら自身もどういうものを創れば、絵が上手く描けなくても子供のころみたいに落書きしたり描いたりすることが、もう一回楽しくなるようになるのか、ゴールが見えていない。

ワタナベ:あまり先に決めちゃうと、つまんなくなっていくので、目的だけ共有して、後は、任せてもらいました。時間が本当に限られていたので、オープン前日の納品する瞬間まで創っていました。お客様にお見せしたのも、オープンの前日でした。すごく喜んでもらえたので、よかったです。

■東京大好き!?「自分達の文化をバックグランドにした方が絶対に有利」
――チームラボ、これからはどんな活動を予定されてますか?
イノコ:とにかく創りたいですよね。家電とか、デバイスとか、今までハードウェア企業が造るとされていたものとか、オリンピックの開会式とか(笑)!

ワタナベ:ロボット?

イノコ:え~?! センサリングや、知能や、駆動は、おもろいね。

――ゲームや漫画はやらないのですか?
イノコ:僕らがやらなくてもいいじゃないですか!天才が一杯いるから。鳥山明先生や尾田栄一郎先生や宮本茂先生になんて絶対に勝てないですから。 誰かがちゃんとやってるところはもういいんですよ。そうじゃない所がいいですね、情報化社会以後の新たな文化になるものとか新しいコンテンツとか…まあ、でも、何でもいいんですけど、実験になれば(笑)。

――ベースにあるものはやっぱり?
ワタナベ:テクノロジーですよね。

イノコ:テクノロジーは全てと切り離して考えられないので。もっと根本的なベースは、西洋って言われていない領域だとか、日本の考え方とか、物事の捉え方とか、それから、東京の(エスタブリッシュメントじゃないという意味での)ストリートで起こっている現象ですよね。 後、"言語化されてない領域認識"って "言語化されている領域"より知的レベルが高いんじゃないかって思っていて。例えば、あるプロジェクトで「東京っぽいってなんだろう」って話してたとき、プリクラとかメイド喫茶、デコネイル、裏原宿なんかは東京っぽい、でも、安藤忠雄の建築は東京っぽくないとか、結構一致するんですよ。「東京っぽい」に共通の言語定義がされてないのに、凄いなって。言語で定義されてないのに共通の認識がある。そういうことに興味があります。

――確かに英語、日本語の言語をみてもそういうのありますよね。無いのに有るっていうか。イノコさんは海外に行こうとは思わないんですか?
イノコ:創った物は任天堂さんみたいに世界に受けたいですよ。でも自分が行く必要とかないでしょ!

ワタナベ:東京ですよね。だってイノコは、東京大好きでしょ(笑)?

イノコ:そうなんですよ。僕、東京っていうキーワードを凄い使うんですけど、僕もそうなんですけど、東京っていうキーワードを使う人って必ず東京出身じゃないんですよね。長渕剛さんとか、「東京」って(笑)。(イノコ氏は徳島出身)

――ジャストシステム(ソフトウェア会社)は徳島ですよね? そういうのは駄目なんですか?
イノコ:人口が少ないのが嫌ですよね。僕(地元の友達とかに)言われますもん。「まだ、そうなの?」って。「まだ」ってどういう意味だよ、「ずっと」だよ、みたいな(笑)。

日本が好きっていうのは何かを創るときに自分達の文化をバックグランドにした方が絶対に有利なんです。例えば西洋的思想をバックグランドにして何かを創ってもネイティブじゃないから絶対負けるので。 「Web進化論」の著者の梅田望夫さんとか、海外に行って海外で活躍した方がいいみたいなこと言っているけれど、世界の人、誰も知らないじゃないですか?海外のことを日本に輸入するのは、海外に行った方がいいけれど、僕らは、できれば、自分たちが創ったものが、世界に行く方がいいので。マリオつくった宮本茂さんとか、別に、英語とかしゃべれなくても、世界の人、興味持っているじゃないですか?自分たちの文化をバックグランドにしたほうが世界に必ず届くと思うんです。

チームラボは毎日ディスカッションの嵐。チームで対話を通して考え、共に、作りながら考えることを重視している。「個性とかアイデンティティとか全く興味ないですから。何かを考えるときに、もう一人で考える時代じゃないと思っています。」(イノコ)
「うちの会社って、けっこうすごい人数多いんだけど、"部長"とか言った役職がないんですよ。テクノロジーってどんどん変わっていくから、トップダウン方式だと成り立たない。チームは横で繋って編成するんです。」(ワタナベ)

スペシャリティの違う人々が統合的に考えた物作りを実現するチームラボ。これからも"テクノロジー×カルチャー"を軸に何でもやっていきたいと語ってくれた。
5つの質問 一問一答
Question 1: 影響を受けたものを教えてください
イノコ:マンガ、ファミコン、インターネット
ワタナベ:
Question 2: この職に就いたきっかけは?
イノコ:インターネットが出てきた
ワタナベ:徐々に
Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
イノコ:もののけ姫
ワタナベ:恋する惑星
Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
イノコ:ない
ワタナベ:パソコン、ケイタイ
Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
イノコ:東京で起こっている現象
ワタナベ:YouTubeとかWebに載っている新しいもの。日々変わります。
イノコ、ワタナベ:あとはあ、浮くこと、質量がないこと、輪郭がないこと、物質じゃないこと、有限じゃないこと。

YouTubeの人気バイラル動画100本を4分で見せちゃうMVとは?!

hadouken! "100 GREATEST HITS OF YOUTUBE IN 4 MINUTES" バンド名は格闘ゲーム「ストリートファイターII」の必殺技から命名
UKの人気バンド、ハドーケン!の新曲「M.A.D」のMVが登場。なんとその内容は、YouTubeの伝説的人気ムービー100本を集めたマッシュアップ映像。同じくYouTubeで人気の動画をフィーチャーしたウィーザーのMV「Poke and beans」ではパロディ映像をメンバーが再現していたが、今回はYouTube動画をそのままミックスしている。

登場するバイラル映像は、100万から1,000万、さらには1億近い再生回数を誇るモンスター級の作品が勢ぞろい。やはり動物と子供は世界共通大人気!何かに取憑かれたかのように笑い続ける赤ちゃん「Hahaha」(9千万回再生)、あかちゃんパンダのくしゃみに驚く親パンダ「The Sneezing Baby Panda」(4千万回再生)、歯医者の麻酔が効きすぎて酔っ払ったようにしゃべる男の子「David After Dentist」(3千万回再生)など、どれもくだらない内容ながら驚くべき再生数を誇っている。

他、マウンテンバイクで木を登る「Inspired Bicycles」(1千万回再生)、ロンドンの街中を芋虫ダンスする「Extreme Caterpillar Breakdance」(610万回再生)、ピンポン玉をなんにでも入れてしまう「Billy's Balls 2」などのエクストリーム映像、VISAのCMの元ネタになった「Where the Hell is Matt?」なども登場。YouTubeがスタートしてからの4年間を彩ってきた人気バイラル動画の総カタログ状態となっている。お時間のある方は、YouTube上のオリジナル作品リストとあわせてじっくり振り返ってみるのもいいかもしれない。

ハドーケン!

2009年10月07日

音のスペクタクル。小さな町がサウンドシステムに変わるSONY「Soundville」

SONY"Soundville"
スーパーボールで街を埋め尽くしたり、団地で絵の具を爆発で彩ったり、街を巻き込んだビッグ・スケールのプロジェクトが楽しいCMでおなじみのSONY&Fallonロンドンによるキャンペーン"Color like no other"シリーズ。色の次はサウンドというわけで、最新キャンペーン「Soundville」はオーディオ技術にフォーカスしたプロジェクト。

公開されたバイラルビデオ「Soundville」の舞台は、アイスランド東部の静かな田舎町Seydisfjordur(読めません)。町の中心には20フィートの高さのスピーカー・タワーを立て、高原で異彩を放つ巨大スピーカーを設置し、町全体を巨大なサウンドシステムに仕立て上げた。

「Balls」からブラビアのキャンペーンを手がけるFallonのJuan Cabral(ホアン・キャブラル)は、このアイデアが生まれたきっかけを「シュトックハウゼンをヘッドフォンで聞きながら牛乳を買ったときに思いついた。僕はこれをみんなも聞くべきだと思ったんだ」と語る。町全体をスピーカーにする許可を取り付けたのは、アイスランドの地方代理店。彼らはSeydisfjordur市長に話し、住民800人(冬には400人)全員の同意を取り付けたという。スピーカーの設営はシガーロスのコンサートを行ったスタッフが行った。うーん納得。

実験は3日間に渡って行われた。スピーカーはリモートで操作され、デス・イン・ヴェガスやMumらによる音楽が流された。残念ながら住民の反応はすごくかすかなものだったが、キャブラル氏は「このプロジェクトの肝はニュアンスやメランコリーだった」と語る。彼らが使ったのはたった2台のカメラ。ただの観察者として、雪に埋もれる羊と不似合いなスピーカーが共存する風景を切り取っている。

ところで、最後のコーポレートIDが「“make.believe”(メイク・ドット・ビリーブ)」に変わったのにお気づきだろうか?“make.believe”の「believe」はソニーの精神を、「make」はソニーの行動をそれぞれ表現。真ん中の「.(ドット)」は、その精神と行動をつなぐという意味が込められており、想像と現実をつなげるソニーの役割を表しているそうだ。

パクリかオマージュか!?二番煎じビデオ大会 その2

あまりにも大胆すぎるそっくりCMから大人気ドラマのティーザー映像まで。ネタ元の映像が思わず気になる作品たちの特集第二弾をお届けします!

■イスラエル発、おそるべきスピードのCellcomイスラエル
cellcomisrael
ホワイトスクリーンでもご紹介した川村真司監督MV SOUR「日々の音色」を、イスラエルの携帯電話会社Cellcomイスラエルが制作。たまに見かけるオリジナルカットも見られるが、アイデアを見事にコピー。本家「日々の音色」公開から1ヶ月あまりというスピード公開ぶり。良い表現は人々に受け入れられるということなのだろうか?

■キューピーハーフ×バスター・キートン
キューピーハーフ"燕尾服とおにぎり"
いつも話題となるキューピーハーフのCM。しかし新作「燕尾服とおにぎり」はは「?」と思えてくる。USのコメディ俳優バスター・キートンの名物である壁ギャグ(参考映像)を髣髴とさせるのだが、Steve McQueen「Deadpan」の作品とのあまりもの類似点に、ネット上で多くの議論が巻き起こっていることは言うまでもない。

■大人気ドラマ「CSI」がカンヌ作品を…?!
"CSI Season Trailer"
カンヌ広告賞など、2009年の広告賞を総なめにしたフィリップスのCM「Carousel」。このたび登場したアメリカの人気ドラマ「CSI」のWebで公開されたティーザー映像が「Carousel」にそっくりだと話題を呼んでいる。静止した病院の中をゆっくりと進むカメラワーク、空中で止まった銃弾や割れたガラスのかけらなどがかなり忠実に再現されている。映像は現在Webサイトにて視聴することができなくなっているが、shots Webサイトにて視聴することができる。

パクリなのかオマージュなのか?それは見た人の主観にすぎないが、オリジナルが持つ輝きがないことだけは確かだ。

2009年10月08日

80年代映画ばんざい!キース・スコフィールド監督最新MV「Let Love Rule」

"Let Love Rule" dir: Keith Schofield
BPAのミュージック・ビデオ(MV)「TOE JAM」や大ヒットバイラルビデオ「Diesel XXX」で鬼才の名を欲しいままにするKeith Schofield(キース・スコフィールド)監督。待望の最新MV「Let Love Rule」が登場!この曲はレニー・クラヴィッツのデビュー20周年を記念し、名曲「Let Love Rule」をジャスティスがリミックスしたスペシャルバージョン。80年代映画のエンド・クレジットをモチーフにした笑える作品だ。主人公はまるで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマーティのような青年。悪者に捕らえられた恋人を助け出してハッピーエンド、エンドロールが流れてめでたしめでたし。のはずが、このエンドクレジットは日常生活の厄介ものだった…。

本MVの撮影はLA東部のバークレー・ホテルにて行われた。撮影中にはホームレス女性に絡まれたりするハプニングもあったが、スコフィールド監督は「LA東部で撮影する醍醐味だね!」と楽しんでいたそうだ。次にはCharlotte Gainsbourg&BeckのMVが控えているスコフィールド監督。こちらも楽しみだ。

ポリゴン・ピクチュアズが語る映画「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」

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ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」 あらすじ:遥は、普通の高校生。幼い頃母親を亡くし、父親に育てられた凛とした少女です。その遥が、武蔵野にある神社を訪れたときから物語が始まります。子供の頃遊んでいた神社に行くと、捨てられたゴム式のおもちゃの飛行機を運んでいる“きつね”を目撃します。きつねを追っていくうちに、森の中に迷い込んだ遥。不思議な水たまりを見つけ、その生暖かい水に手を入れると…一瞬にして不思議な世界に吸い込まれ、「ホッタラケの島」に入ってしまいます。そこは人間たちが「ほったらかしにした=ホッタラケにした:ものでできた島でした。
あくなき3DCG表現の追及を続けるビジュアルスタジオ、ポリゴン・ピクチュアズ。彼らが映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」に続いてプロダクション I.Gとタッグを組んだ映画「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」がただいま劇場公開中だ。フジテレビ開局50周年記念作品ということでファミリー向けと銘打っているが、これまでの日本製3DCG映画への先入観を覆されるケタ違いの映像を見せてくれる。魅力的な表情のキャラクター、奥行きのある幻想的な背景に加えて3Dならではのスピード感溢れる演出に目を奪われるはず。間違いなく日本のCG界の歴史を変えるマイルストーンになる作品だ。果たして今、日本で3DCG映画を作るということはどういう意味を持つのか?ポリゴン・ピクチュアズの代表取締役社長塩田周三氏とプロデューサー牧野治康氏に聞いた。

■過密スケジュール!多摩霊園IGFXに合宿状態!
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左:塩田周三氏 右:牧野治康氏
――この作品は足掛け4年の年月がかけられているそうですね。ポリゴン・ピクチュアズさんが参加するきっかけは?
牧野:約3年の月日をかけて企画、脚本、絵コンテ、キャラクターデザインなどを練った作品で、公開まで丸1年もない制作期間で僕たちが関わって制作することになりました。今回携わったポリゴン・ピクチュアズのスタッフは、総数100名強になります。エンドロールでは各スタッフの所属をポリゴンと明記せず、プロダクションI.Gさんの3Dスタジオ「IGFX」との混成部隊としてクレジットされてます。僕はライン・プロデューサーを担当しました。実際に画作りに取り掛かったのは昨年の夏の終わり頃からですから丸1年もないスケジュールで完成させたことになります。

塩田:I.Gさんのアニメーションの表現力と弊社の得意とするCGアニメのいい融合が結果として出来たと思います。期間と予算を考えるとギネスものですよ。

牧野:当初は物量と時間を考えると、ほぼ不可能に見えました。社内でもそこまで責任負っちゃって大丈夫?というムードが蔓延していたんです。が、実際にキャラクターデザインと背景のスケッチをIGFXさんに見せてもらったところ、非常に魅力的だったんです。このまま静観してしまっていいのだろうか?と思ったんです。また、「ファイナル・ファンタジー」以降、フルCGでの映画製作というのはなかなか気運が上がらなくって、セルに似せたトゥーン・シェイディングのアニメが主流になりつつある中で、モロに3Dのキャラクターを芝居させ、多くの人に見てもらえる作品創りに取り組めるというのは貴重な機会でした。CGアニメの未来の為にもこれを黙って見過ごすことはできないと思ったんです。やるからには我々が完成させて見せようと。

――具体的にクオリティも追求しながらタイトな制作期間で仕上げる為にどのような手段をとられたのでしょうか?
牧野:いろんな方策を考えましたね。「ホッタラケの島」の外の世界の背景、全体の3割強くらいを背景美術のスタジオ美峰さんに2Dで描いてもらいました。全体の3割程度のカットを手で描いてもらう、マットペインティングで乗り切ったんです。残り7割のCG背景においても、セットの質感や素材を美峰さんとコラボレーションしたんです。

――2Dと3Dの協業作業は「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」で培った物なのでしょうか?
牧野:もちろんCG監督の長崎高士が「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」から関わっているので、2D現場の言語や制作フローも理解しています。ただ今回はもう一歩踏み込んでます。通常だと2D側が創ったフォーマットに沿って3Dを起こしていくのですが、今回はこちらで起こしたものを2Dに制作していただいたりしたんです。すると2D側も更にクオリティを追求してくる。今までは"見合った見合った"状態だったのが、今作ではガッツリと取り組めたと思います。「イノセンス」「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」と、これまでのI.Gさんとのお仕事があってこその到達点です。

■多摩霊園IGFXに全員集合!
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© 2009 フジテレビジョン/Production I.G/電通/ポニーキャニオン
牧野:僕たちポリゴンのアニメーションチームは半年くらい多摩霊園のIGFXさんのアニメーターさんと一緒に同じフロアーで作業していました。ポリゴンのアニメーション・スタッフもIGFXさんに集結し、演出の塩谷直義さんと、CG監督の長崎をはじめ多くのメインスタッフたちと、毎日ああでもないこうでもないとやっていました。塩谷さんが制作後にアニメーターを一箇所に集める事によってクオリティの向上につながったとおっしゃってましたが、結局、コミュニケーションなんですよね。僕らは塩谷さんという力のある方と現場がコミュニケーションすることが重要だと思ったんです。メインスタッフ同士のコミュニケーションが希薄だと、どうしても衝突がおきてしまいがちです。スケジュールにも影響してきます。それが今回毎日コミュニケーションできた。しかも多摩霊園って周りになんにもないから仕事するしかない(笑)。

塩田:お互いの善いところを吸収し合って、それを消化し、次のレベルまでもっていくということが画をみても出来たと思います。こういったプロダクションの場合、海外の優秀なスタッフらとアニメーションを制作していく事も一般的にあるのですが、なんとなく消化しきってない感がどうしてもあるんです。この「ホッタラケの島」で起きた消化具合は、今までの物と似て非なる物ではないでしょうか。

――限られた製作期間の中、モチベーションを高めて成功させた秘訣は何でしょうか?
塩田:もちろん細かいところでは文句もでたりはしますけど、やっぱり作品がやりがいのある物だったんですよね。正気ではいられない物量とスケジュールでしたから。新しい物を生み出しているという実感があったんだと思います。これと同じように、イメージボードからスタートして3Dで作り上げるプロセスって、ピクサーなどのスタジオがやっていることですよね。だからあんなに分厚いアートブックがあるわけです。3Dの映画の世界は若いので、そこまで成熟したプリプロの人材がいない。だから画力や色に造詣の深い2Dの世界の人たちの知恵を初めて拝借できたのが収穫でした。お互いのよいところを吸収して消化することはよくできたと思います。

■キャラクターについて
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© 2009 フジテレビジョン/Production I.G/電通/ポニーキャニオン
――主人公名の遥と、声優を務められた綾瀬はるかさんは意図的なんですか?
牧野:この映画は各所で偶然の一致のようなものが相次いで、綾瀬さんもそうだったそうですが、ここぞというときに適任者と巡り会い、困難な局面を乗り越えてきたんです。幸せな偶然の一致ですね。実は映画公開日が8月22日で、プロダクションI.Gの石川社長から長崎にCG監督の打診があったのもちょうど一年前の8月22日だったんです。

――主人公の遥とテオがとても魅力に溢れていて、キャラクターの演出においてどういうアプローチをされたんでしょうか?
塩田:遥のキャラクターはフジテレビさん、IGFXさんが一番こだわったところですね。

牧野:遥って女子高生なので、女子高生に見えないと負けだというのが最初から議論されてました。アニメーションをリードするジーニーズの渡辺昭仁さんが非常に苦労したところでもあるんです。彼が結局とった方法は女子高生を観察する事です。アニメーターの視点で見ていると、女子高生の歩き方、重心や軸などモーションの癖が見えてきたそうです。それらを取り込んだところ、遥に命が吹き込まれた瞬間があったんです。また、声優の綾瀬はるかさんも非常に協力的で、多摩霊園のIGFXさんに併設のスタジオで数シーンを演じてもらって動画をリファレンスとして取り入れました。その一つが渡り廊下のシーンでロボットと雑魚キャラに追われた遥が扉を押したときのリアクションです。綾瀬さんって身体を張った演技も凄くいいんですよね。アニメのリファレンス撮影でも真剣に取り組んでいただき、アニメーションも説得力のあるものに仕上がったと思います。そのようなリファレンスを充実させるという所にはこだわりました。

――表情はどのように演出しているんでしょう?
牧野:アニメーションはすべてアニメーターの感性の世界なんです。有効な方法論というのがなく、上手い人がつけるのがいいんです。なのでスタッフィングには徹底的にこだわりました。お願いしたいと思っているアニメーターのスケジュールが空くまで待ったりして。進行には悪影響を与えたんですが…。一番顕著なのが、フェイシャルではないのですが、飛行機が花火の中をかいくぐって、落ちて羽を飛ばされてジェットコースターになる見せ場のシーン。そこは「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」の飛行機のアニメーションを殆ど一人で手がけた天才的な大串映二というアニメーターのスケジュールを待って担当してもらってます。2Dアニメの世界ではよくある事なのですが、CGの枠ではなかなかはまらない方法なんです。キャラクター・アニメーションは結局演技なので、その演技を出来る人が必要なんです。

塩田:遥のキャラクターについては、それに加え、IGFXの宮本浩史さんが、この情報量を発見したのも大きいと思います。感情を出す為にそぎ落としていって、この配分を導きだしたのが素晴らしいですね。

■日本的なCGアニメーション手法とは?
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テオの家 © 2009 フジテレビジョン/Production I.G/電通/ポニーキャニオン
――今回ハリウッド的ではない、日本的な方法論でこの映画を制作されたと伺いました。
牧野:一つにはアメリカというよりもピクサーではない手法として2Dアニメーションの技術を積極的に取り入れてます。

塩田:セルとの融合は明らかに日本ぽくさせている最たる物ですね。

牧野:特に背景美術に反映されていて、全てのシーンの背景を美術監督の感性にゆだねています。全体の7割を占めるCG背景も、美術監督・野村正信さんの描いた美術ボードをもとに全カットの背景を制作してます。手描きの絵は、あくまで一人の絵描きのテイストなので、それに向かってみんなが追いかけていき、統一感を図っています。野村さんにアートディレクションは一任して、彼がOKを出すまでCG側が工夫を重ね、世界を創っていってます。

――アートディレクションという事ですが、野村氏のほうでキャラクター・デザインや衣装デザインまで監督されているのですか?
牧野:日本のアニメの特徴でもあるのですが、美術監督は動く物には一切干渉しません。 まずのキャラクターのデザインを行う方がいます。今回「ホッタラケの島」人間世界のキャラクターはヒラタリョウさん、「ホッタラケの島」の住民は石森連さんという方が担当されています。お二人とも30代前半と若手なんですが、彼らの出したリファレンスを一気に追いかけるんです。そのデザインを元にモデリングを行いますがその際にキャラクターの肌色や、身にまとう物の色は、キャラクター専門のカラーデザイナーが担当します(2Dアニメーションでは色彩設計といいます)。

塩田:2Dの世界と3Dの世界を融合させるというところに今回大きな挑戦があったんです。例えばカメラマップだったら、スタジオ・ジブリで経験をつんだ松村智香というスタッフに担当させる事でスピードアップを図ったりしています。ホッタラケの世界にいったん入ると、ほとんどCGだったりするんですが、キービジュアルにそってCGで絵作りをする、絵描きを中心に作業を進めるというのは日本的なんじゃないでしょうか。

――目眩のするような作業量なんですね。実際にキービジュアルから完成の絵までどのようにブラッシュアップしていったんでしょうか?
牧野:テオが住んでいる家を創るのにCG側でかなりの作業を引き受けて、数ヶ月費やしてしまったんですよ。最初は三週間の予定が三ヶ月かかってしまった。でもそのおかげでこの人の絵がこうなるよ、という方程式が出来たんですね。影付けの範囲や、細かいテクニックを習得できたんです。その三ヶ月の間は行き違いもありました。美術監督からすれば、「なんでわかんないの?」、CG側からすれば「いや、絵で描くと簡単かもしれませんが…」というような。でも直接CGの現場に美術監督にきてもらい、実際に画面の前に座ってPhotoshopをつかって、「トタンの質感はこうなんだよ」と一筆いれるだけで、ぐっとよくなる。説得力があるんですね。そういう経緯をへてCGのスタッフ側に絵描きのスキルに対するリスペクトがだんだん生まれてきました。その後はキービジュアルがラフな段階でも完成イメージまでもっていく事ができるようになりました。

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――丁寧に創られてますね。また2Dと3Dの制作現場でこのような壁があったのにも驚きです。
牧野:使っている言語も違えば、スケジュール感もまるで違う。CGだと1分に数ヶ月かけたりするんですが、2Dでは一話22分もあるテレビアニメを2~3ヶ月かけて制作しています。

塩田:プロダクション・デザイン、イメージボードからスタートして、それを3Dに置き換え、アーティストとインタラクションしていくプロセスはピクサーなどは普通にやっていて、よく「アート・オブ・ピクサー」とかの本とか見かけますよね。なので僕たちのような、もしくはそれ以上の丁寧な仕事をしているんです。日本の3DCGの映画の世界って若いというか、無いんですよね。キャリアがCGから始まったという人が結構多いので、成熟したプリプロダクションの人材が僕らの世界にいないんですね。今回は歴史のある2Dの世界、半端なく画力のある方、造詣の深い方たちのお知恵を拝借し、3Dに反映できたというか、短い期間で成熟したパイプラインが構築出来たんじゃないでしょうか。2Dの世界も3DCGでどんな事ができるか可能性を垣間見れたんじゃないかと思ってます。多分ここで生み出されたものっていうのは、凄い短期間で仕上げたって言うのもありますが、スタート地点にやっとたったようなものだと思ってます。世界レベルで活躍するには何が必要か、どれだけ手間ひまかけなくちゃいけないかというところに到達出来たと思います。

牧野:僕たちが心がけた事のひとつにメインスタッフそれぞれの担当領域を侵犯しないという事がありました。逆に言うとアートディレクションは野村正信さんが全てをにぎっていて僕らはそれを追いかける。アニメーションに関しては塩谷さんの演出を追いかける。いわゆるダブルディレクションをしないということです。テオの家に三ヶ月かかったのも無駄に思えるかもしれませんが、必要な無駄だったんです。ポリゴンで背景をつくるとここまでいけるという野村さんとの信頼関係もそうして出来上がってきたんです。塩谷さんとの作業も同様に深めていきました。

――アニメーション映画では演出と監督とCG監督と、監督業が細分化されてますが、それぞれがどこまでやっているのか教えてください。
牧野:アニメの世界は、分業制なんです。絵作りに対する作業量が膨大すぎて、すべてを一人が司るのは大変なんです。世界感を創ってどんな映画にするのかという骨子、脚本、デザインをきめるのは監督。各カットを現場で実現していくディレクションは演出が担当します。このいわゆる現場監督はI.Gさんの若手ホープの演出家であり、非常に優秀な原画マンでもある塩谷さんが担当されてます。映画の中で最も人気のあるキャラクター、コットンのデザインも手がけてます。映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」で非常にインパクトのある仕事をされた方で、キャラクターが新聞を奇麗に折り畳むシーンがあったんですが、あの原画を描いたのも塩谷さんなんです。アニメーションに対する想いが演出家として映画一本分しっかりある方で、それをCGの言語に置き換えて現場をディレクションするのが、長崎の担当するCG監督なんです。まともにやろうとすると非常に衝突の置きやすい座組みかもしれないのですが、最初に打ち合わせで擦り合わせから、長く共に過ごす時間を作りました。最後は言わなくても判るというレベルまでいったのですが、人間同士の信頼関係が今回の映画のクオリティに繋がっていると思います。それは一朝一夕にはできない事なんです。

――人間のコミュニケーションでも2Dと3Dの融合がなされたんですね。他に特筆すべき制作話はありますか?
塩田:アニメーションの作業分担ですね。

牧野:さっきの話ですが、上手い人がつけないと魅力がでないというのは如実にあるんですよ。上手い人ができるだけ多くの主要キャラを担当できるようにする為に、髪の毛や衣服の揺れ、そしてモブキャラなどの周辺的アニメーションを分業化したんです。通常、そのカットのアニメーションは全て一人のアニメーターが担当するものなんですが、とにかく遥とテオの魅力を最大限にもっていく為、プライマリー(主要キャラの基本芝居)とセカンダリー(周辺的アニメーション)とにアニメーターを分けたんです。その結果、上手い人が遥やテオの中心的アニメーションをじっくり手がけることで、クオリティの底上げが出来たと思っています。

塩田:アメリカだとキャラクター別にアニメーターを分ける分業制はよくやっているけれど、一つのキャラクターに対して難度の高いアニメーション(プライマリー)とそうでないセカンダリーに分けるというのはやっていないんじゃないでしょうか。

――表情はプライマリーが、服や髪の揺れなどはセカンダリーがやっていったという事なんですね。
塩田:一番美しいのはPhotoshopのレイヤー機能のようなアニメーション用のレイヤー機能をつかって弊社で開発している制作インフラに取り込んだ骨組みを作って、予算、クオリティを維持していく事ですね。日本は特に阿吽の呼吸が通じるので、今までなんとかやって来れていたんだと思いますが、CG産業の成熟を考えると、このような分業制を取り入れていくべきじゃないでしょうか。

牧野:これは人材を育成するスキームにもなるんです。

塩田:この導入に伴い、セカンダリーを担当させられたアニメーターはやっぱり気分がよくないわけです。今まではカット内の全てをまかされてたのに、なんでひらひらばっかり?!とね。でも成熟した組織の中でやっていく為には自分の立ち位置を認識する事と、次のステップが明確になる事が必要。目標ができてくるはずなんです。

牧野:CG表現の新しい試みというところでいうと、もっている力、技術を最大限発揮させたという点ですね。今回関わったCG会社が全社結集して出来る事をちゃんとやって、これだけのクオリティを結果として出せたという事について、CG会社は誇りをもっていいと思うんです。今回、東映アニメーションさんやダンデライオンさんも参加しているのですが、彼らのもっている技術でモブ配置をするものがあるんです。町中にうわっと人を配置し、設定パラメーターによってボタン一つでアニメーションさせるツールなんですが、それを今回のプロジェクトで拠出してくれたんです。ただしアニメーションを流し込む為に、対象のモデルも、ホッタラケで使用している仕様ではだめで、メッシュの数を減らした物が必要なんです。町にあふれるキャラクターをつくるだけでも一杯一杯だったのですが、その上この手間も追加されるという事になったんです。それをジーニーズさんが引き受けてくれて、リグ等の追加作業はポリゴン・ピクチュアズが担当して、更に東映アニメーションさんのツールをテクニカルディレクター保科功がチューンアップし、モブを扱う各社に提供したんです。これはポリゴンピクチュアズだけでは出来なかった事です。東映アニメーションさん、ジーニーズさん、ダンテライオンさんらのもっている技術を拠出し合ったんですね。この映画は、国内でも名だたるCG会社が作品の求心力のもと、技術や負担をシェアして完成させたものなんです。

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© 2009 フジテレビジョン/Production I.G/電通/ポニーキャニオン
――オープンソース的なものが起こった現場だったんですね。
塩田:本当の意味でのオープンソースを行うにはまだ日本は成熟していないと思います。ただ、今プロジェクトにおいて現場ではこういったことなしでは無理な事も多かった。日本では150名を超えるCG会社は3つくらいしかなく、そのどれもが地価の高い東京に集中している。今後この手の大作を量産していく為にも、日本に合った新しい方法を見つけなくてはいけないと思ってます。 日本市場ではCGアニメーションでこれくらいの大規模な長編プロジェクトというのが少なく、なんとかなっていたんですね。今回培ったノウハウや方法論を更に改善、成長させていくには継続が必要です。ピクサーの例をみてみてもプロジェクトをやる度に倍々で技術革新が成され、制作力が上がってきてるんですね。僕たちCGプロダクションの一番恐れている事は、CGアニメのこういったプロジェクトが途絶えてしまう事です。「ホッタラケの島」の事例のように、この期間、予算、クオリティで物をつくれているプロダクションって世界でも他にないと思います。友人のジム・モリス(ピクサーのジェネラル・マネージャー)もトレーラーをみて「凄い」と言ってくれていて、提供している付加価値は高いと思うんです。そこに投資してもらえるようなマインドになってくるとプロジェクトも増えるのかと思っています。

牧野:CGアニメが可能性を秘めたまま、じりじり留ってる状態でなく、ディズニーのアニメよりピクサーの「トイ・ストーリー」の次回作が楽しみ!というような、日本のCG界にもいいスパイラルが定着するといいなと思っています。

「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」で歩み寄り、「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」では完全に融合した2Dと3Dの世界。世界で日本にしか生み出せないCG作品の第一歩を彼らが踏み出した。今回は絵作りだけだが、今後ポリゴン・ピクチュアズではそれ以上のものを手掛けたいそう。日本のCG界の可能性を秘めた本作品、これからのCG界を担う次世代のためにも、ぜひ劇場に足を運んで欲しい。

■映画「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~
公開中
監督:佐藤信介
配給 : 東宝
牧野さんに5つの質問 一問一答
Question 1: 影響を受けたものを教えてください
手塚治虫の漫画
Question 2: この職に就いたきっかけは?
「イノセンス」のオープニングを観て
Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
七人の侍
Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
携帯、時計、万年筆
Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
落語をiPodで聞くこと

2009年10月09日

噂のCS4 (あいつ) がまたやってきた!「After Effects Night Vol.03」開催

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すべての映像クリエイターの必需品Adobe After Effects(R)をフィーチャーしたスペシャルイベント「After EffectsR Night」第3弾が2009年10月23日(金)、東京・赤坂ブリッツにて開催決定!映像制作の第一線で活躍するクリエイターがCS4の新機能やお役立ちの裏ワザなど、After Effectsについて語り尽くす人気イベントだ!今回のテーマはテープレスカメラのワークフロー。映像作家の本郷伸明監督と高野光太郎監督、そしておなじみAfter Effects研究員としてタナカカツキ氏、菅原そうた氏も登場する。

■本郷伸明監督のAfter Effectsマル秘テクニック
「SWEET REVOLT」 dir: 本郷伸明|music: 横山裕章
一人目のゲストは関ジャニ∞「kicyu」などのミュージック・ビデオや映画「大洗にも星はふるなり」タイトルバックのほかCM、CDジャケットのディレクション・デザイン等で活動中の本郷伸明監督。Panasonic製メモリーカードカメラレコーダーAG-HMC155とAfter Effects CS4を駆使したコマ撮り風作品のコンポジションや、効率化されたPhotoshop CS4 Extendedとの連携ワークフローについて語る。さらにこのイベントでしか聞けない本郷監督の"本郷ダスト"と呼ばれるAfter Effectsマル秘テクニック、パペットツールを用いた事例なども披露予定だ。

■HD映像編集の第一人者、高野光太郎監督登場 そしてもう一人のゲストはHD映像編集の第一人者であり、After Effectsの書籍「映像編集とテープレスワークフロー After Effects+HDの基礎 」を手掛ける高野光太郎監督。高野監督による作例をもとに、ミュージックビデオ、CM等の撮影現場で主流になりつつあるテープレス・カメラと合成に最適化されたテープレス・ワークフローを紹介。SONY XDCAM EX、Panasonic P2、RED、canon5D、7Dを網羅する。数多くの現場で最適なワークフローで制作をこなしてきた監督によるプレゼンテーションは必見!

また、毎回サービス精神溢れるステージングで観客を魅了してくれるタナカカツキ氏と菅原そうた氏ももちろん登場!「After Effects研究所」ではAfter Effectsならではのエフェクトを駆使した研究を発表して頂く。無限の発想力に注目!この盛りだくさんのイベント、なんと参加費は無料。ただし事前登録が必要になるので、ご希望の方は公式Webサイトからどしどしお申し込み下さい。先着順となるのでお申し込みはお早めに!

■After Effects Night Vol.03 - CS4 Re:turns 噂の CS4 ( あいつ ) がまたやってきた! -
主催:アドビ システムズ 株式会社
日程:2009年10月23日(金)
時間:17:00 - 20:00(受付開始16:30)
参加費:無料(要事前登録)
定員:400名 ※定員になり次第締切
会場:赤坂ブリッツ
東京都港区赤坂5-3-2 赤坂サカス内 TEL:03-3584-8811
問合せ:aen@event-web.net ※受付時間10:00~18:00(土・日・祝日を除く)


ホワイトゴールド・イズ・バック!牛乳ロックオペラ「Battle for Milkquarious」

White Gold "Almost as Beautiful as Me"
米国カリフォルニア州の牛乳協会(California Milk Processor Board)が贈るミルク界のロック・スター、ホワイトゴールド様が帰ってきた!特設Webサイト「Milkquarious」にて、ホワイトゴールド様主演の20分を越えるロック・オペラ「Battle for Milkquarious」がWebで公開中。Webサイトはロンドンのクリエイティブ・チームHi-Res!が手がけている。真っ白な豪邸でスウィートな愛を囁き合うホワイトゴールド様とガールフレンドのストロベリー・サマーズ。そこに突然悪者が現れ、パワーの源である牛乳を奪ってしまう…!ナンセンス・ギャグが散りばめられた、牛乳版「オースティン・パワーズ」のような作品だ。

ホワイトゴールド様をご存知ない方のためにご説明すると、彼は2008年、ロック・スピリット溢れるギュンギュンのWebサイト「Got Milk? White Gold」でセンセーショナルに登場したキャラクター。牛乳を飲んだ賜物である輝く歯と豊かな髪で全世界の女性たちをしびれさせた。エージェンシーはサンフランシスコのエージェンシーGoodby, Silverstein and Partners。このキャンペーンの成功のおかげか?USでは十代の牛乳消費量が増加したという!

さて新キャンペーンの制作で最も苦労したのは、Webムービーでは22分というやや長めの尺を持たせる音楽やストーリーやキャラクターを考えるところ。しかも牛乳の素晴らしさを訴える歌詞とストーリーを両立させなくてはならない。作品イメージとしては「トミー」や「ロッキー・ホラー・ショウ」などの有名どころから「The Apple」や「ファントム・オブ・ザ・パラダイス」などのマイナーどころまで、様々なミュージカルからインスピレーションを受けているという。

さらに本キャンペーン「Milkquarious」ではカリフォルニアの高校生向けに映像コンテスト「The White Gold Rock Opera Video Contest」を開催し、オリジナルのロック・オペラ映像を募集中。突き抜けた世界観のロックオペラ、ぜひ牛乳片手にお楽しみください。

Milkquarious

2009年10月10日

映像と音楽のビッグ・パーティ「ENVELOP #5」「REPUBLIC vol5-DEE VEE JAYS #1 Release Party-」

「REPUBLIC vol5-DEE VEE JAYS #1 Release Party-」
東京・六本木の六本木ヒルズ マドラウンジにて行われた「REPUBLIC vol.4 ~映像作家100人2009リリースパーティー~」では2,000人を動員したモンスターパーティ、"REPUBLIC"より2つのビッグパーティのお知らせ!

まず一つ目は2009年10月11日(日)、渋谷WOMBにて開催される「ENVELOP #5」。DJにはAlan Braxe(Vulture Music/France/Daft Crew) やiLL、ALTZ、hidenobu ito(ライブ)らを、そしてVJには三嶋章義や河野未彩を迎えて映像と音楽の祭典を繰り広げる。

そしてもうひとつは2009年11月2日(月)、東京・ディファ有明にて開催される「REPUBLIC vol5-DEE VEE JAYS #1 Release Party-」。「TOKYO CULTUART by BEAMS」よりリリースされるBARTS DVD「DEE VEE JAYS #1」のリリースパーティだ。当日はこのDVDに収録されたアーティストと映像作家とのコラボレーションを実現。DVDには収録不可能だったトクマルシューゴ×佐藤玲(Kaikai kiki)の共演も行われる。ほか、ケン・イシイ× HEART BOMB、Fantastic Plastic Machine×ENLIGHTENMENT、DJBAKU ×長添 雅嗣×清水康彦などゴージャスな組み合わせが実現。会場ではスペシャルなオーディオシステムと300インチのスクリーンを3面に特設し、最高の音と映像の空間が体験できる。

■ホワイトスクリーン読者にはディスカウント有!
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「ENVELOP #5」
そしてこの2つの祭典に、ホワイトスクリーン読者へのディスカウントをご用意!当日受付にて「ホワイトスクリーンを見ました!」と元気に伝えて頂くと、「ENVELOP #5」では通常当日4,500円の入場料を4,000円に、「REPUBLIC vol5」では通常5,500円の入場料金を500円オフの5,000円に値引き致します。それではパーティでお会いしましょう!

■ENVELOP #5
日程:2009年10月11日(日)
時間:23:00 -
入場料:当日4,500円、フライヤー持参4,000円、メンバー3,500円
会場:womb
東京都渋谷区円山町2-16
■REPUBLIC vol5-DEE VEE JAYS #1 Release Party-
日程:2009年11月2日(月・祝前日)
時間:20:00 - 29:00
入場料:通常5,500円、DVD付6,000円|E-PLUS独占チケット5,000円
会場:ディファ有明
〒135-0063 東京都江東区有明1-3-25

2009年10月11日

デザイナーズウィーク、デザインタイド…東京がアートとデザインに染まる季節がやってきた!

今年も東京に世界最先端のデザインが集結するこの季節がやってきた!絶対に見逃せないデザイン&アートフェアのラインナップをご紹介!

■東京中を巻き込むエキシビジョン「デザインタイド・トーキョー」
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「DESIGNTIDE TOKYO」
今年で5回目の開催となるDESIGNTIDE TOKYO(デザインタイド・トーキョー)が、昨年に引き続いて東京・六本木のミッドタウン・ホールにて開催。インテリア、プロダクト、建築、グラフィック、ファッションといった様々なジャンルの作品が集結し、東京から世界に向けて新たなるアイデアの切り口を発信するトレードショー&エキシビション。

メイン会場では、デザイナー自身によるプロダクツについての説明を聞くことができるほか、サテライト会場を使っての展示も多数開催。東京中のインテリア・ショップ、ギャラリー、カフェにて、アート作品の展示や販売を行う。六本木から原宿、清澄白河まで、東京中を巻き込んだデザインを巡る旅を楽しもう。
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MOLESKINE
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JinKuramoto
■DESIGNTIDE TOKYO
日程:2009年10月30日(金) - 11月3日(火・祝)
時間:11:00 - 21:00(開催日によって変動あり)
入場料:1,000円(1日間)
会場:東京ミッドタウン・ホール(メイン会場)
東京都港区赤坂9-7-1

■国内最大規模のデザインイベント「東京デザイナーズウィーク2009」
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日本最大規模を誇るデザインイベント「東京デザイナーズウィーク」。今年も青山の明治神宮外苑絵画館前をメイン会場に、10月30日(金)から11月3日(火)までの5日間開催される。ロンドン発のインテリア・デザインショー「100% Design Tokyo」や世界のデザイン雑誌編集長がデザインについて語る「世界デザイン編集長会議」、貨物用コンテナ内で空間インスタレーションを行う「コンテナ展など東京・明治神宮外苑を中心に、都内およそ80か所で様々な催しが開催される。事前登録者には入場料ディスカウントもあるので、お申し込みはお早めに(お申し込みはこちら)。
■東京デザイナーズウィーク 2009
日程:2009年10月30日(金) - 11月3日(火・祝)
時間:10:00 - 20:00(最終日は18:00まで)※「100% Design Tokyo」会場は10月30日(木)、31日(金)の10:00から16:00までビジネスタイム。
入場料:2,000円(税込)/1日 ※事前登録者、DM持参者は500円割引、事前クレジットカード決済は800円割引
会場:明治神宮外苑 絵画館前
東京都新宿区霞ヶ丘町2-3


■ミッドタウンのアートフェス「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」
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「DESIGN TOUCH」 気球の乗船体験もアリ!
「森美術館」、「サントリー美術館」、「国立新美術館」と3つの美術館を擁するアートの街、六本木のランドマーク、東京ミッドタウン。このミッドタウンにて開催されるデザインイベントが「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」だ。永井一正、青葉益輝、青木克憲らのアーティストと瓦製造業者とのコラボレーション作品を展示する「JAGDA KAWARA EXHIBITION」やデザイナーと直接コミュニケーションしながら、デザイン作品を手にいれることができる「デザイナーズフリーマーケット」などが開催される。
■「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2009 」
日程:2009年10月23日(金) - 2009年11月3日(火・祝)
時間:会場によって異なる
入場料:無料 ※一部有料
会場:東京ミッドタウン
東京都港区赤坂9-7-1


■15周年、30回目の「デザイン・フェスタ」
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「デザイン・フェスタ」
毎年春と秋の2回開催されているインターナショナルなアートイベント「デザイン・フェスタ」も今回で30回目。今回は世界中から8,500人を超えるアーティストが参加。2,600以上のブース、ライブ、ミニシアター、世界各国料理のレストラン&カフェなどバラエティに富んだお祭りとなっている。
■デザイン・フェスタ vol.30
日程:2009年10月24日(土)、25日(日)
時間:11:00 - 19:00
入場料:1日券:前売り800円、当日1000円 両日券:前売り1500円、当日券1800円
会場:東京ビッグサイト
135-0063 東京都江東区有明3-21-1 TEL: 03(5530)1111(代表)


渋谷系は全員集合!日本初の大規模個展「ヴェルナー・パントン展」

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《ファンタジー・ランドスケープ》,「ヴィジョナ2」, ケルン家具見本市での展示風景,1970 ©Panton Design, Basel
イームズと並ぶオシャレ家具の基本!「パントン・チェア」でおなじみのデンマーク生まれのデザイナー、ヴェルナー・パントン。意外にも日本初となる大規模な回顧展「ヴェルナー・パントン展」が、2009年10月17日より東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーにて開催される。

ヴェルナー・パントンは有機的な流線型のフォルムとオレンジ×紫などの奇抜なカラーリングによる実験精神あふれるデザインで知られ、家具だけでなく、プロダクト、建築や展覧会などのトータルな空間デザインを手がけるデザイナー。

今回はパントンと長年にわたり関係を築いてきたヴィトラ・デザイン・ミュージアムのコレクションより、パントン作品の50年代半ばから70年代半ばの作品にスポットをあて、家具、照明、テキスタイル、模型、ドローイング、映像など約150点を展示。そして本展のハイライトは、パントンの最高傑作「ファンタジー・ランドスケープ」の再現。1970年のケルン家具見本市での展覧会「ヴィジョナ2」で発表された、床・壁・天上を一体化させた有機的な空間をもつ伝説の作品!デザインカタログでしか目にしたことのなかった幻の作品を体験することができる。

会期中にはパントンのグラフィックをCDジャケットに起用した田中知之(ファンタスティック・プラスチック・マシーン)やプロデューサーの山本宇一をゲストに迎えたトークショー「パントマニア!」も開催される。さまざまな方向からパントン作品を見ることができる充実の展覧会になるだろう。

■ヴェルナー・パントン展
主催:財団法人東京オペラシティ文化財団
日程:2009年10月17日(土) - 12月27日(日)
休廊日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
時間:11:00 - 19:00(金・土は20:00まで、最終入場は閉館30分前まで)
入場料:一般1,000円、大学・高校生800円、中・小学生600円
会場:東京オペラシティアートギャラリー
〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2 TEL:03-5353-0756

2009年10月12日

わかっちゃいるけど騙される、愉快な騙し絵の世界

海外ではトリック・アート、トロンプ・ルイユと呼ばれる、視覚トリックを利用しただまし絵の世界。わかっちゃいるけどやっぱり騙されちゃう、不思議な作品たちをご紹介!

■くつろぎのティータイムを演出…
"Afternoon Tea With Richard Wiseman"
スコットランド在住、心理学でマジシャンというリチャード・ワイズマンさんのビデオ。これから「www.TeaWithWiseman.com」とういうサイトを始めるワイズマンさんが自らのサイトを語る。「ティー」という名のついたサイトだけに、机の上にはティーカップが二つ載っているが…。

■もう騙されない!
"sarailusionoptica"
こちらの舞台は南国の邸宅、かわいらしい女の子が自転車に乗ってやって来た。もう騙されない!…と思っても騙されるのが人の常。

■何気ない都会の風景、実はだまし絵の世界
Audi "Illusions" dir: Anthony Atanasio
エッシャーのだまし絵の世界を駆け抜けるアウディのCM。制作はUKのFramestore CFC。ブラジル・サンパウロで撮影された素材をエッシャー風のだまし絵に加工。だまし絵にぴったりはまるロケーションを選ぶのに苦労したそう。

■掃除機のダイソンがエッシャーの庭を実現!
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「Tokyo Designers Week 2008」
吸引力の落ちない掃除機で一財産を築いた、UKのジェームズ・ダイソン氏。彼の新しいチャレンジはエッシャーの「ウォーターフォール」に影響された現実にはありえない噴水「Wrong Garden」の施工!エッシャーの絵では滝から落ちた水がまた登って落ちるというものだったが、この噴水も水が重力に反して登っては落ちるというミステリアスなもの。モーターなどは使っていない。その種明かしは、水が登る斜面見えないように敷かれたガラスパネル。実はこの水、前と後ろの2方向に流れている。登っているように見える水は、実はガラスパネルの表面を流れ落ちているのだ。さらにポンプで空気の泡を注入し、水が登っているように見える細かい演出も行われている。

■最も過激なだまし絵YouTube!?
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Drone Dungeon
それでは最後に、今回最も過激なだまし絵をどうぞ。制作はDrone Dungeonさん。神経に作用するイライラ度は最強!編集部は責任持ちません!

2009年10月13日

ロイクソップ×アンドレアス・ニルソン監督新作!野生のドラム部族MV「This Must Be It」

Royksopp "This Must Be It" dir: Andreas & Filip Nilsson
いつも一ひねりあるMVを繰り出すノルウェーのエレクトロポップ・ユニット、ロイクソップ。前回の「HAPPY UP HERE」ではJOYRIDER監督によるリアル世界のコンピューター・ゲームを見せてくれた彼らの新作MV「This Must Be It」が登場。今回はどこかの山奥で暮らす謎の部族の生活を追うフェイク・ドキュメンタリーのような作品となっている。彼らは山奥で暮らし、ドラムで出来た謎の車を操ったり、まるで「777drums」のように輪になってドラムを打ち鳴らす儀式を行っていたりする風変わりな一族のようだ。

■要チェック!スウェーデンのアンドレス・ニルソン監督
Royksopp "This Must Be It" dir: Andreas & Filip Nilsson
監督はスウェーデンのAndreas Nilsson(アンドレス・ニルソン)。2001年から自主制作アニメーション作品を制作し、2003年からMVを手がけるように。姉弟エレクトロ・デュオThe Knife、そしてThe Knifeのカリン・ドレイヤー・アンダーソンのソロ・ユニットFever RayのMVを数多く手がけるほか、2005年にはゴールドフラップとのコラボレーション・アニメ「Fly Me Away」など、多くのMVを手がけている。

それらの中でも特に高い評価を受けているのが、シンガー、ホセ・ゴンザレスのMV。浮世絵をフィーチャーしたアニメ作品「Put your hand on your heart」や宗教アニメ風の「Teardrop」(stash 39収録)など、ご存知の方も多いだろう。2009年も原宿のロッカーズが出演するPeter, Bjorn & JohnのMV「Nothing to worry about」など、ちょっと一癖ある作品をコンスタントに生み出し続けている、注目の気鋭監督だ。監督の作品は公式Webサイトにて視聴することができるので、ぜひチェックしてみよう。

・Andreas Nilsson

デジタル時代の「コヤスニカッティ」!カリフォルニア発、タイムスケープス社の美麗タイムラプス

"Timescapes Timelapse: Mountain Light"
EOS 5D Mark IIの発売以来、注目を集め続けるタイムラプス作品。タイムラプスとは時間の経過を連続写真で表現したもの。今回ご紹介する映像「Mountain Light」もタイムラプスの手法で撮影された作品。広大な砂漠に立つ大木やこぼれんばかりの星がきらめく満点の空などの自然映像を収めたタイムラスプ映像となっている。

本作品を手がけたのは、カリフォルニアのタイムラプス映像専門スタジオ「Timescapes(タイムスケープ)」で、現在制作中の映画「These Short Days」のワンシーン。この映画はストーリー性があまりない、映画「コヤスニカッティ」や「バラカ」のような作品になるという(ちなみに絶賛出資者募集中)。

■モーション・コントロールを使ったタイムラスプとは?!
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"Timescapes Timelapse: Mountain Light"より
「Mountain Light」のロケ地は、アメリカの中でも指折りの景観を誇るカリフォルニアのホワイト・マウンテン山脈とヨセミテ国立公園。ドリーをブリッスルコーン・パイン(和名:イガゴヨウマツ) の森にセットし、オリジナルでデザインしたモーション・コントロール・リグを使ってスムーズなドリー撮影を行った。撮影にはEOS 5D Mark IIを使用し、2秒から4秒のインターバルを置いて撮影(早い雲などは2~3秒のインターバルになる)。撮影時に減光フィルターは使わず、アフターエフェクツで処理した。

タイムスケープスのトム氏は「我々がHD撮影にこだわるのは、アメリカでは映画館のスクリーンが4Kにシフトしているから。今後の作品づくりにおいては、REDかCANONのムービーカメラにスイッチしていくつもりだ」と述べている。

彼らの作品のビハインドザシーンはYouTubeで公開されているほか、タイムスケープ公式Webサイトの掲示板で日夜タイムラスプの情報交換がされている。タイムラプス撮影の初心者からプロにとっても役立ちそうな情報ばかりなので、興味のある方はぜひチェックしてみよう。

Timescapes(タイムスケープ)

2009年10月14日

鬼才エンサイクロぺディア・ピクチュラ、待望の新作「How Will You Create the Universe?」

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"How Will You Create the Universe?" dir: Encyclopedia Pictura ムービーの視聴はこちら
ビョークの立体視ミュージックビデオ(MV)「Wanderlust」で2008年のMVアワードを総なめにした鬼才ディレクタートリオEncyclopedia Pictura(エンサイクロペディア・ピクチュラ、以下EP)。彼らの1年ぶりとなる待望の新作「How Will You Create the Universe?」が登場!色とりどりのクリーチャーが、新しい世界を作り上げていく様子を壮大なスケールで描く。EP作品ではお馴染みの、毛がフサフサしたネバーエンディングストーリーのような謎のクリーチャーも登場。「シムシティ」や「ザ・シムズ」など大ヒットゲームの作者ウィル・ライトによる、宇宙版クリーチャー育成ゲーム「SPORE」の世界観をモチーフにしたショートフィルムだ。

本作品においては、EPがキャラクターのデザインとドローイング、背景を担当。フルCGのキャラクター・アニメーションはカリフォルニア・バークレーのTippett Studios(ティペット・スタジオ)が手がけている。パーティクル・シュミレーションでクリーチャーの群れを制作するなど、テクニカル面でEPをバックアップした。

実はこの作品、2008年に「SPORE」のプロモーション用として制作されたもの。これだけのクオリティながらお蔵入りとなったため、このたびオリジナル作品として公開されることになった。こうした作品も発表の場を得ることができるというのは、作家にとってもファンにとってもうれしい限りだ。

ghostrobot

ナンド・コスタ×モデスト・マウス渾身のMV「Whale Song」

Modest Mouse"Whale Song" dir: Nando Costa
ブラジル出身のモーショングラフィック・アーティスト、ナンド・コスタと、インディ・ロック・バンド、モデスト・マウスがコラボレーション!このたび6分間に渡ってめくるめくダークなファンタジーを見せてくれる渾身のミュージックビデオ(MV)「Whale Song」が公開された。

本作品の主人公は、バンドのシンガー/ギタリスト、Isaac Brock(アイザック・ブロック)。彼が装着する奇妙な道具は、彼の精神を物質化する手助けをしてくれる魔法の機械。その思考は糸に姿を変えて放出され、彼をもう一つの世界へと誘う。そこはアイザックにとってのサンクチュアリだった。ギターやスピーカー、ドラムなどが佇むシュールな森を歩くアイザック。森を楽しむ彼だが、戻らなくてはならない。彼は丘の上で「出口を探す」笛を吹き、現れた梯子を伝って現実世界へと戻る…。

この複雑な作品において、コスタ監督はアイザックとがっちりタッグを組んで完成度を上げていったという。退屈な現実世界と、ゆがんだ思い出の世界。意識の中で出口を探すプロセスというのは、彼が二つの空間に囚われている事を表し、自滅を演じるメタファーのことを表現している。

撮影にはRED Oneカメラを使用。現実とイマジネーション、二つの世界を描くために、二つのREDカメラを使った立体的な映像効果や、コマ撮り、特撮、VFX、モーション・グラフィックスなど様々なエフェクトを施している。

マシュー・カレン監督「DASHBOARD」やヒース・レジャー監督「King Rat」など、毎回ユニークな監督とサプライズに満ちたMVを送り出すモデスト・マウス。映像の素晴らしさはもちろん、楽曲の世界観と、アーティストの内面をも表現した大作MVをどうぞ!

2009年10月15日

音を奏でる魔法の光であそぼう!Wacom×チームラボ「SKETCH PISTON 4」

先日ロング・インタビューをお届けしたウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」。彼らのライフワークとも言えるWebゲームプロジェクト「SKETCH PISTON」の最新作、「SKETCH PISTON 4」がホワイトスクリーンでもお馴染みのペンタブレットメーカーWacomのWebサイトにて公開された。インターフェイスにネオンカラーのペンツールで落書きを加えると、その落書きが音を奏で出すという目も耳も楽しいWebサイトだ。

そもそも「SKETCH PISTON」とは、見た目は普通のWebサイトだが、そこにユーザーが物理情報を持った落書きを加えてゲームを楽しめるという常識やぶりのコンテンツ。毎回様々な企業のサイト上でリリースされては進化し続けている。2009年3月に第一弾の「アイディーユープラス」バージョンを公開した後、漫画家タナカカツキとコラボしてグラフィカル&コミカルに進化した第二弾「SKETCH PISTON2」を7月に、日本テレビの日テレダベアとのコラボで背景写真などを加えた第三弾「SKETCH PISTON3」を9月にリリースしている。

■らくがきで作曲!「Bamboo Fun」とのコラボ
音楽はニコ動界隈で大人気の平成生まれのコンポーザー、tofubeatsが手がける。
最新作の「SKETCH PISTON 4」は、Wacomの新商品「Bamboo Fun」キャンペーンサイトで登場。インターフェイスがオシャレになっただけでなく、"描いた絵で音が鳴る"要素が加わってさらに楽しくなった。遊び方はカンタン。Webサイトにアクセスし、ペンとスタンプで思いのままに模様を描いて、スマイルのボールを落とすと音が鳴るしくみ。色やスタンプはそれぞれ違う音色を持っており、人もまた楽器になっているほか、Webサイトの上下で音階が変化する。らくがきするだけで作曲することができるのが楽しい。

出来上がった作品はスケッチピストン投稿サイトスケッチピストンパークにて公開し、他のユーザーとシェアしてみよう。傑作が出来たらぜひホワイトスクリーンに教えてください!

2009年も残り2ヶ月。UKを代表するMVはこれだ!「UKミュージックビデオアワード2009」

UKの優れたミュージックビデオ(MV)を表彰する祭典、UK MUSIC VIDEO AWARDS 2009が今年も開催。2009年10月13日(火)、ロンドンのオデオン・ウエストエンドにて授賞式が行われた。ビートルズやオアシスどちらかもう少し新しい人でなど、世界的人気アーティストを多数輩出するUKは言わずと知れた音楽大国。男性の平均所有アルバム枚数は290枚、女性でも220枚というデータもあるほど、音楽に対する国民の耳が肥えているお国柄だ。世界のトレンドの一部を担う栄光のラインナップをご紹介しよう。

■ベストビデオオブジイヤーはシャイノーラ!
Coldplay"Strawberry Swing" dir: Shynola
最高賞のベストビデオオブジイヤーを勝ち取ったのは、UKが誇る映像集団シャイノーラによるColdplay「Strawberry Swing」。チョークで描かれた等身大のコマ撮りアニメーションの舞台で、ボーカルのクリス・マーティンがお姫様を救う王子を演じるホンワカした作品だ。このほかにもベストアニメーション賞、ベストロックビデオ賞をゲットし完全復活!マジカルなアイデアと根性のプロダクションが結実し、何度でも繰り返し見たくなるようなエバーグリーンな作品が誕生した。

■今年はMartin de Thurah監督の年?!
Glasvegas "Flowers And Football Tops" dir: Martin de Thurah
今回のアワードで最も目立った名前は、デンマーク出身の映像作家Martin de Thurah(マーティン・デ・スラウ)監督。Carpark North「Human」やロイクソップ「what else is there」など、北欧テイスト溢れる独特のテクスチャが特徴的なMVを多数生み出し、現在最も注目されている監督の一人だ。本アワードでは最も優れた映像作家に贈られるベストディレクター賞を受賞したほか、Will YoungのMV「Changes」ではベストポップビデオ賞を、GlasvegasのMV「Flowers And Football Tops」はシネマトグラフィー賞(Lasse Frank撮影監督)、ベストVFX賞も獲得するなど総なめ状態となっている。

■デヴィッド・ウィルソン監督に注目!
Moray McLaren "We Got Time" dir: David Wilson
新人賞はColonel Blimp所属David Wilson(デヴィッド・ウィルソン)監督が受賞。一度見たら忘れられない、不気味な顔ペイントのトラウマMV、We Have Band「You Came Out」は以前ホワイトスクリーンでご紹介している。本アワードではゾエトロープの進化系「プラキシノスコープ」の原理を使ったMoray McLaren「We Got Time」にてベストバジェット賞も獲得。風変わりなアイデアを作品に昇華させる力量を持つ若手監督だ。

■ドーン・シャドフォース監督がアイコン賞
Florence + The Machine "Drumming Song" dir: Dawn Shadforth
これまでの功績を讃えるアイコン賞を受賞したのは、ビョーク「Who Is It ?」、カイリー・ミノーグ「Out Of My Head」などを手がけるRSA所属のDawn Shadforth(ドーン・シャドフォース)監督。加えて歌姫Florence + The Machineがエジプト風衣装でエキゾチック・ダンスを繰り広げる「Drumming Song」にてベスト・スタイリング賞を受賞した。シャドフォース監督は現在ハムレットの「オフェーリア」を現代風に映画化する作品を制作中とのこと。こちらも楽しみだ。

ほか、ホワイトスクリーンでもお馴染みのPatrick Daughters(パトリック・ドーター)監督と画家のMarcel Dzama(マルセル・ザマ)がコラボレーションしたMV、Department Of Eagles 「No One Does It Like You」がベストインディ/オルタナティブ賞を、テヘラン出身のeva husson監督によるthe presets「if i know you」にベストダンス賞が贈られた。全てのノミネート作品などは公式Webサイトにてチェックすることができる。

2009年10月16日

世界をより良く変える、フォルクスワーゲンの「ファン・セオリー」

人を一番揺り動かすものとは何だろう。涙か怒りか、それとも笑い…?このたびフォルクスワーゲン・スウェーデンが公開したWebサイトThe Funtheory.com(ファンセオリー・ドットコム)は、「"楽しさ"が人々の行動をより良く変える一番簡単な方法」という考えを元にしたプロジェクト。人々、もしくは地球環境を改善するシンプルなプロジェクトに取り組み中。

■思わず登りたくなる階段とは?
"Piano stairs"
一つ目のファンセオリーは「エスカレーターの代わりに階段を使ってもらう」プロジェクト。スウェーデンでは日曜版の新聞でよく謳われているキャッチコピーだが、実行するのはほんの少しの人だけ。いったいどうすればもっと沢山の人が階段を使ってくれるのか…?老若男女に階段を使わせた、見事なファンセオリーがここに!

■ゴミはゴミ箱に捨ててもらう方法
"The world's deepest bin"
続いてのファンセオリーは、「ゴミをちゃんとゴミ箱に捨ててもらう」方法。そんなに難しいことじゃないのに、どうしてみんなできないのか…?そこでゴミを捨てると楽しい気分になってもらえばイイ、と底なし池のような音が出る仕掛けを設置してみた。果たしてその結果は?

今後はリサイクルを促すための仕掛け「Empty bottle arcade」や、自分なりのファンセオリーを募集して2,500ユーロ(約34万円)を勝ち取るコンペティションも用意されている。ちなみに今回クリエイティブを手がけたエージェンシーはスタイリッシュすぎる軍隊スカウトWebサイトSwedish Armed Forces: Recruitment 2009でおなじみのDDBストックホルムだ。

新技法「ストラタステンシル」遂にCMデビュー!ナンド・コスタ監督「Right Blend」

Scott Naturals"Right Blend" dir: Nando Costa
切り絵が何段にも重なりアニメーションを作り出すCM、Scott Naturals「Right Blend」。この不思議なアニメーション技法に見覚えのある方も多いのではないだろうか?以前Video Of Todayでご紹介した「My Paper Mind」で使われていた新技法、stratastencil(ストラタステンシル)を使用したものだ。監督は先日渾身の新作MV「Whale Song」をお届けしたNando Costa(ナンド・コスタ)。

ストラタステンシルは、当時学生だった映像作家のJavan Ivey(ジャヴァン・アイヴェイ)氏が、ストップモーションのテクニック"Stratacut"を元に編み出したもの。アイヴェイ氏は卒業後コスタ監督の在籍するアニメーション・スタジオ、Bent Image Lab(ベント・イメージ・ラボ)にインターンとしてやってきたのだが、実はアイヴェイ氏がストラタステンシルを思いついたのはベント・イメージ・ラボのDavid Daniels(デヴィッド・ダニエルズ)によるクレイアニメにインスパイアされてだった。今回コスタ監督はダニエルズと組み、本CMに「My Paper Mind」のコンセプトとデザインを反映することを決めた。本家は紙細工だが、締め切りとプロダクション過程の理由から、CGで制作することになった。

■ステンシル・エフェクトを徹底的に追求!
"My Paper Mind" dir: Javan Ivey
コスタ監督とダニエルズはステンシル・エフェクトの可能性を徹底的に追求。その結果、カットアウトしたアニメーションをオーバーラップさせることによって作るロングショット「ローロデックス効果」まで発見したという。本来は紙で作られるストラタステンシルをCGで制作することは、画のイメージを控え目にしてくれることと透明度を上げてくれる効果があったという。ちなみに全てがCGというわけではなく、ラストには実写で撮影したペーパータオルの映像を使用し、モーション・コントロール・カメラを使用し、リアリズムを出すことを目指したという。学生の自主制作作品が見事CMに昇華した良い例といえる作品をお楽しみください。

2009年10月17日

デビルロボッツも参加!キャラクター発掘イベント「キャラディグvol.1」

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2009年11月1日(日)より、東京・六本木のGALLERY ROPPONGIにてキャラクター発掘イベント「キャラディグvol.1」が開催。若手アーティストによるキャラクター作品を展示する本エキシビジョンでは、会場に展示するオリジナルキャラクター作品を大募集中だ。フォーマットは平面であれば絵画、版画、デザイン、CGなど自由。ユニークな表情で人をひきつけるキャラクターなど、個性溢れるオリジナル作品を募る。

応募作品はGALLERY ROPPONGIにて展示され、来場者・関係者による投票でグランプリを決定。グランプリ受賞者はGALLERY ROPPONGIにて一ヶ月の個展を開催するほか、賞金10万円が進呈される。ほかにも「トーフ親子」でお馴染みのデビルロボッツが選ぶデビルロボッツ賞なども。2009年11月1日(日)に開催されるオープニングパーティー(20:00より)では、デビルロボッツのキタイシンイチロウ氏とシークレットゲストによるトークショーも予定されている。

「キャラディグvol.1」
応募資格:国籍、年齢、プロ、アマチュア不問
応募締切:2009年10月25日 24:00まで
応募作品:絵画、版画、デザイン、CGなど平面のキャラクター作品
作品形式:A3サイズまで。額装もしくはパネル状であること
参加費用:6,000円/1作品
応募方法:Webサイトにて参加登録後、指定の口座に参加費用を振り込み。入金を確認後、参加登録完了の連絡を致します。詳細は公式サイトにて
問合せ:info@charadig.com

富岡聡氏講演も!アジア独自のCG表現が一同に会する「ASIAGRAPH 2009 in Tokyo」

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ASIAGRAPH 2009 in Tokyo
ただいま東京では、コンテンツ産業関連のイベントが連携して行うフェスティバル「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(CoFestaコ・フェスタ)」が開催中。その一環として開催される「ASIAGRAPH 2009 in Tokyo」は、世界の第一線で活躍するアジアの研究者とクリエイターが集い、アジア独自のデジタルコンテンツの研究・発表を行うイベント。2009年10月22日(木)から25日(日)の四日間、日本科学未来館、東京国際交流館を会場に開催される。

会場ではアジアの作家の作品を展示する「ASIAGRAPH CGアートギャラリー CGアニメーションシアター」やウルトラテクノロジスト集団チームラボの「花と屍」などの展示も。さらにアニメーション作家のうもとゆーじ氏&個人制作アニメーション研究者真狩祐志氏による「2000年代の個人制作アニメーションと環境変化」、ウサビッチの監督でカナバングラフィックス代表の富岡聡氏が独自のクリエイティブを紹介する「アニメ監督が語るCGワークフロー」、ASEAN+3イメージ映像を手がけた中国の四川美術学院影視動画学院より周宗凱らが登場する「ASEAN+3諸国のCG制作」などのトークショーやシンポジウムも開催される。ちなみに一部を除いて入場は無料!気軽に訪れてみよう。
■ASIAGRAPH 2009 in Tokyo
日程:2009年10月22日(木) - 25日(日)
時間:10:00~17:00 (22日のみ13:00開館)
入場料:入場無料 ※一部プログラムでは教材費が必要 ※日本科学未来館の展示施設への入場は有料
会場:日本科学未来館 〒135-0064 東京都江東区青海2-41
東京国際交流館 〒135-8630 東京都江東区青海2丁目79

2009年10月18日

ワンアイデアで、心を動かす。「1-click Award」作品大募集

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リクルートメディアコミュニケーションズが贈るクリエイティブ・アワード「1-click Award」が今年も開催。"ワンアイデアで、心を動かす"をスローガンに、インタラクティブ部門とプランニング部門の2つで作品を募集する。インタラクティブ部門では、ワンクリックというシンプルな動作でユーザーの心を動かす作品を募集。flash、CG、映像、音楽、文字などなど、Webブラウザで閲覧できるものなら表現手段もテーマも自由だ。もう一つのプランニング部門の課題は"Webを中心に、新しいコミュニケーションプランを考える"。あらゆる手法で、従来の枠組みにとらわれないコミュニケーションプランの企画書を募集。人の心を動かすアイデアがあるか。そこで新しいコミュニケーションが生まれるか、この2点が審査のポイントとなる。最優秀賞には50万円、優秀賞には20万円が贈られるのも魅力!面白さ&斬新さが光るアイデアを求む!
「1-click Award」
応募資格:35歳以下。性別 、国籍は不問。
応募締切:2009年11月5日(木)13:00
応募作品:インタラクティブ部門:クリックに反応するインタラクティブ作品、プランニング部門:Webを活かした新しいコミュニケーションの企画書
作品形式:インタラクティブ部門:Webブラウザで閲覧できる作品、プランニング部門:パワーポイントによるA4企画書・5ページ以内・体裁自由の企画書公式サイト参照
応募方法:エントリーフォームから応募。詳細は公式サイトにて
賞金:最優秀賞 賞金50万円、優秀賞(2作品)20万円
問合せ:info@1-click.jp

丹下紘希ワークショップ「"イメージする"を考える ~音楽と映像の関係~」

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丹下紘希 
日本のミュージックビデオ黎明期から映像作家として活躍する映像作家、丹下紘希。手がけたMV約40本を収録した集大成DVD「TANGE KOUKI VIDEO COLLECTION」 (トイズファクトリー)をリリースしたことは記憶に新しい。

そんな丹下監督が登場する映像ワークショップ「"イメージする"を考える ~音楽と映像の関係~」が、2009年10月25日(日)、東京・恵比寿の東京都写真美術館にて開催される。本イベントは短編映画の映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」のイベント、秋の特別上映会「フォーカス・オン・アジア」の一環として行われるもの(ちなみにショートショート フィルムフェスティバル&アジアでは現在作品募集中)。当日は丹下氏のクリエイティブの秘密について語られる予定だ。日本のMV界のパイオニアとして第一線で活躍し続ける丹下監督から直接話を聞くチャンス。映像制作に興味のある方、ショートフィルムが好きな方、映像作家から音楽ファンまで非常に興味深い内容となるだろう。

■丹下紘希ワークショップ「"イメージする"を考える ~音楽と映像の関係~」
日程:2009年10月25日(日)
時間:16:30 - 20:00
申し込み方法:件名を “ワークショップ参加希望” とし、本文に1.氏名(ふりがな)、2.住所、3.PCメールアドレス、4.年齢, 5.性別、6.職業(会社員/学生/その他)、7.このイベントをどこでお知りになりましたか?(例 ウェブサイト、知人の紹介、口コミ 等)を明記のうえlook@shortshorts.org まで連絡。申し込み締め切りは2009年10月20日正午。詳細は公式Webサイトにて。
入場料:無料 ※要事前登録
会場:東京都写真美術館
〒153-0062 東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内
丹下紘希プロフィール:Yellow Brain代表。映像監督。J-MVPA日本音楽映像製作者協会理事長。1968年岐阜生まれ。高校卒業後、大野一雄氏に師事。東京造形大学在学中より旅に目覚め、いろんな国を旅しては風に吹かれ吹き飛ぶ。常に激しく戦争反対。障害者就労支援プロジェクトATARIMAE projectの立ち上げから参加。 現在まで数多くのMusic Videoを作り続け、MTV、スペースシャワーTVにてBEST DIRECTOR賞はじめ受賞歴多数。また近年ではグラフィックのアートディレクションも手掛けている。Mr,Childrenから大野一雄まで監督作品集「TANGE KOUKI VIDEO COLLECTION」が発売された。

2009年10月19日

パッション・ピクチャーズ他、創り手のこころざしを感じるオリジナル作品特集

海外では定番の"自主制作作品"。それは主にショートフィルムというフォーマットに、作家もしくはプロダクションのやりたい事や得意技をいっぱい詰め込んだもの。クライアント・ワークでは実現しづらい自らのクリエイティブを伸び伸びと発揮した作品たちはクリエイティブ・フリーダムに溢れ、営業ツールとしても力を発揮するのだ。そんなこころざしを感じるオリジナル映像をご紹介。

■ブリティッシュ・ジョーク全開。脱力コメディ集団ロケットソーセージ
"CGI-brows"
UKのコメディ・ビデオ制作チーム、ROCKETSAUSAGE(ロケットソーセージ)のオリジナル作品「CGI-Brows」。スピルバーグは言った。"君が何を撮影していようと、目が一番大切なんだ"と…。このたび開発されたCG技術「CGアイブロー」は、眉毛を自由自在に動かし、オスカー級の演技を可能にする驚異の技術だ。というウソ技術を大真面目に説明する爆笑ビデオ。本作品でヴァージン・メディア・ショート・アワードを受賞した。彼らのVimeo公式チャンネルにて、英国のウィットに富んだ脱力コメディビデオを視聴することができる。

■名門パッション・ピクチャーズ・パリより
Passion Paris"Happy New End" dir: Bonzom
こちらは名門パッション・ピクチャーズ・パリから、所属のディレクター集団 Bonzom(ボンゾン)によるセルフ・プロモーション映像「Happy New End」。2009年の年賀状代わりに制作された作品だ。いま話題の2012年問題を、ユーモアを交えて描くほほえましいアニメーション作品。

■日本が誇るNAMIKIBASHI(ナミキバシ)
The Japanese Tradition "Sushi" dir: Namikibashi
こちらはすでにクラシックスとなった名作。Teevee Graphicsの小島淳二監督とラーメンズによる映像製作ユニット、NAMIKIBASHI(ナミキバシ)による"日本の伝統"シリーズ。小島監督のオシャレな映像とラーメンズによるシュールな笑いは世界的人気を博し、「RESFEST」、「onedotzero」など海外映画祭でも多数上映されている。この「Sushi」は正しい寿司の食べ方を懇切丁寧に教えてくれる作品で、YouTubeでは190万回再生、リリース当時はラーメンズ小林氏が海外の映画祭で「スシ・ガイ!」と指をさされるほどの熱狂ぶりであった。DVD「THE JAPANESE TRADITION ~日本の形~ 」も発売中だ。

■写真を積み重ねてアニメーション「記憶全景」
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"記憶全景" dir: 横田将士  動画はこちら ©横田将士
最後は、東京造形大学卒業後、NHK教育テレビ「シャキーン!」のアニメーションや森本千絵の個展「動物園で、森本千絵°展」にてイメージ映像を担当するなど気鋭の若手作家、横田将士監督。彼を世に知らしめた、在学中に制作した作品が「記憶全景」。静止画で撮影した日常風景を印画紙に出力し、一枚ずつ切り取って重ね合わせることでアニメーションするという根気と手間のかかる方法で制作された作品だ。日常の何気ない風景が叙情を帯びて見えてくる。目には見えない情熱が心に響く作品。

ほかにもスタジオSpecial Guest(スペシャル・ゲスト)によるセルフプロモーション・フィルム「The Journey」やロンドンのプロダクションBLINK所属の映像作家Tomas Mankovsky(トマス・マンコフスキー)によるショートフィルム「Sorry I'm Late」など、これまでホワイトスクリーンでご紹介した作品も合わせてどうぞ。

クオリティで勝負の海外テレビドラマ界、そのPR戦略とは?

俳優の知名度に頼らず、時代性を反映した脚本と演出、キャスティングの妙で勝負する作品づくりが世界中からラブコールを得ている海外のテレビドラマ。そんな作品をめぐるプロモーション戦略もやっぱりユニークなものだ。

■デクスターを探せ!
"Where's Dexter? Level 1"
まずは娯楽作品を多く贈り出すUSのケーブルテレビ局「SHOWTIME」の作品より、人気ドラマ「デクスター」のバイラルビデオ「Where's Dexter?」をご紹介。これはYouTubeのアノテーション機能を使い、以前ブームになった「ウォーリーをさがせ!」の如く、人ごみの中からドラマの主人公「デクスター」を探すゲーム付きビデオだ。「デクスター」はマイアミ警察の優秀な鑑識官でありながら、猟奇的な連続殺人鬼としての顔も持つ男デクスター・モーガンが主人公の人気ドラマ。難易度は高め。

■広告賞を総なめにしたHBO、新Webサイトも画期的
"HBO: Imagine"
格調高いTVドラマ作りに定評のあるケーブルTV局HBO。2008年のカンヌやONE SHOWなど世界的広告賞を総なめにした、都市で暮らす人々のドラマを覗き見ることができるプロジェクト「Voyeur」も記憶に新しいところ。そんな彼らの最新プロジェクトは、その名も「Imagine」。Webサイトにアクセスすると、お金を盗む子供、浮気相手が潜む豪邸などのストーリーがキューブ状のスクリーンで上映される。そのキューブをまわすことによって、1本のストーリーを様々な角度から見ることができるのだ。「It's more than you imagined」 というキャッチコピーの通り、思いもよらなかったストーリーの側面にワクワクさせられる。

■日本上陸した「マッドメン」のきせかえサイト
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"Where's Dexter? Level 1"
東京ではフジテレビでの放送が始まった、60年代NYの広告業界が舞台のドラマ「MAD MEN マッドメン」。主人公のドン・ドレイパーは2009年の“最も影響力のある男”に選ばれたほどの人気ぶり。マッドメンの魅力はディテールの細かい60年代の雰囲気というころで、このサイト「MAD MEN youself」では60年代風のキャラクターを着せ替えで作り、壁紙やツイッターなどのアイコンとしてダウンロードすることも可能。

■古典的バイラルビデオ「アントラージュ」
"Matt Damon freaks out on Adrian Grenier"
「アントラージュ」はHBOによる、ハリウッドの俳優とその取り巻き(アントラージュ)たちをコミカルに描くコメディドラマ。アメリカではシーズン6まで制作されるヒット作品だ。日本でも「アントラージュ★オレたちのハリウッド」というタイトルで放送され、「男版セックスアンドザシティ」などと呼ばれている。エイドリアン・グレニアー(プラダを着た悪魔)演じる主人公の俳優、ヴィンスの彼女がマンディ・ムーアだったり、リアルと虚構が絡み合う所が面白い。このたびYouTubeで公開された本ビデオは、エイドリアンが出演する俳優マット・ディモン監督のチャリティ・ビデオの撮影風景。たった5行のセリフも覚えられないエイドリアンにマット・デイモンがマジ切れ。決定的瞬間がカメラに収められている…というものだが、もちろんヤラセのバイラルCMである。

ちなみに日本でも、USの人気犯罪サスペンス・ドラマ「CSI:」のプロモーションにおいて大阪のたこ焼き店とコラボレーションして「CSI:たこ焼き」を販売。ラスベガスを舞台にした犯罪サスペンスとたこ焼きがどうつながるのかは不明だが、大量の葱の上にマヨネーズで「CSI:」と描かれており、ファンにはたまらないメニューとなっていたそう。

2009年10月20日

デヴィッド・フィンチャーが16年前の未来の生活を描く「You Will」、そして2012年問題へ。

"AT&T 1993 "You Will" dir: David Fincher
ゼロ年代も残すところあと2ヶ月とちょっと。我々の生活はかつて想像したよりもずっと早いスピードで進化しており、これからも速度を増していくだろう。さて今回ご紹介するのは、1993年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督のCM、AT&T「You Will」。当時AT&Tが開発中の製品を元に「未来の生活」を映像で説明する作品だ。現在では当たり前となっているテクノロジーが多数登場しており、興味深い内容になっている。

そこで描かれる未来像とは…何千マイルも遠くにある本が読める(電子ブック)、道を確認するために止まる必要がない(カーナビ)、ビーチからFAXを送ることができる(電子メールもしくはFAX)、減速しないで料金所を抜けられる(ETC)、キャッシュマシーンでコンサートのチケットを買う(コンビニなどのチケット発券機)、家主の声でドアの鍵が開く(声認識)、リゾートにいながらテレビ電話でミーティング(ビデオチャット)、大学の授業を遠隔地で受ける(サテライト授業) etc.。ほとんどのテクノロジーが実用化されているのにはちょっとびっくりだ。

■マイクロソフトが考える、10年後の世界
<a href="http://video.msn.com/?mkt=ja-JP&playlist=videoByUuids:uuids:a517b260-bb6b-48b9-87ac-8e2743a28ec5&showPlaylist=true&from=msnvideo" target="_new" title="Future Vision Montage">ビデオ: Future Vision Montage</a>
"Future Vision Montage"
それでは現代の我々が想像する未来の姿とはどんなものだろう?2009年3月にMicrosoftLabが発表した、2019年の情報社会を予想したショートフィルム「Future Vision Montage」にてその一部を見てみよう。未来では新聞も銀行も車のショールームも、操作は全てタッチパネル式。スーパーに行けばセール情報がホログラムで現れ、学校では黒板に描いた単語がモーション・グラフィックスになって現れる…。映画「主人公は僕だった」に登場するインフォマーシャル(制作はMK12)が現実になったような世界だ。10年後、これらのアイデアからどれだけのテクノロジーが現実になっているだろう?

■地球が終わる?!その時人類は…!
"2012" dir: ローランド・エメリッヒ
ちょっと気になるもう一つの未来像は、近頃世界を席巻する「2012年」説。古代マヤ文明で使われていた「マヤ暦」が、2012年12月22日に終わることから、「人類が滅亡する」、「氷河期が訪れる」など様々な説が駆け巡っている。1999年に「恐怖の大王」や「二千年問題」などの噂が駆け巡ったのと同じく、杞憂で終わると良いのだが…。もちろんハリウッドがこのネタを見逃すわけはなく、「インデペンデンス・デイ」などを手がけるローランド・エメリッヒ監督による映画 「2012」が2009年公開予定。製作費2億ドル(約215億円)をかけた、エメリッヒ監督お得意のディザスター・ムービーとなっている。

世界を楽しくする、クリス・オシェアのARアート「Hand from Above」

Chris O'Shea "Hand from Above"
拡張現実(AR)の技術を使った、世界を楽しくするアート作品をご紹介!こちらはUKリバプール発の「Hand From Above(上から現れる手)」。繁華街の街頭スクリーンに巨大な手が出現!リアルタイムでモニターに映し出される通行人をくすぐったり、上空に連れ去ってしまういたずらをするインスタレーションだ。 実際の映像にエフェクトを加えたレイヤーを重ねて表示している。

こちらの作品を制作したのはロンドン在住のアーティスト、Chris O'Shea(クリス・オシェア)。これまでにはスーパーヒーローのように壁の向こうが見えるアート「Out of Bounds」を手がけるほか、アート情報のWebサイト「Pixelsumo」を運営。ジャーナリストとしても活動している。「Hand From Above」は聖書に出てくる巨人「ゴリアテ」にインスパイアされて生み出された作品で、クリスは「もし人間が食物連鎖の頂点にいなかったらどうなっていただろう?」と問いかける。ぜひ日本でも体験してみたい!

■ARで日本を楽しくする「AR三兄弟」
"AR3Bros episode-iv | twitter & BaseballGameClassic & AR"
いっぽう日本には、AR技術を使った楽しいアートを生みだすクリエイティブ集団「AR三兄弟」がいる。AR三兄弟とは、ALTERNATIVE DESIGN++所属のデザイナーによる、AR技術探究のために結成されたユニット。ARタグを使ったロールプレイングゲーム「風の谷の三丁目のRPG」ではプレイヤーのtwitter発言量やはてなブックマークの多さなど、Web上での影響力で対戦するという驚きのマッシュアップを実現。ほかにもtwitterと野球盤をマッシュアップした「AR野球盤」など、旧世代からは生まれなかったやわらかい発想のアート作品を生み出し続けており、今後要注目のアーティストだ。

2009年10月21日

ガール・スカウトのフィルムフェスティバル、YouTubeにて開催中!「Perspectives on a Girl」

"Explore" dir: Haley Morris
おそらく世界初であろう、ガール・スカウトのオンライン・フィルム・フェスティバル「Perspectives on a Girl(パースペクティブ・オブ・ガール)」が開幕!アニメーションやインスタレーションなどの映像作品が公式WebサイトとYouTubeにて公開中だ。

ボーイスカウトの女の子版であるガールスカウトとは、「責任ある世界市民として、自ら考え、行動できる人となる」をスローガンに、ボランティアなどの社会奉仕からアウトドア遊びまで、少女の成長の助けとなる活動を行う社会教育団体。

本フェスティバルでは、カナダの女性アーティストらに「Girls need Guides(少女はガイドを求めている)」をテーマにした作品を依頼。そのラインナップはアニメから実写まで様々だが、ホワイトスクリーンおすすめは引っ込み思案な少女の心象風景をペーパークラフトで表現したコマ撮り作品「Explore」(Haley Morris監督)や、中国人の少女を通して異文化を説く「Different」 (Alchemy監督)などのアニメ作品。どの作品にも、「自信や勇気が世界を変える」というポジティブなメッセージが込められている。

「少女たちは毎日成長していきますが、たくさんの情報やコマーシャルに惑わされたり、外で過ごす時間が少なくなったり、体重へのプレッシャーやさらには人種問題にも悩まされています」と語るガール・ガイド・オブ・カナダ。少女たちに元気と勇気を与える作品たちをどうぞ!

・「Perspectives on a Girl

カニエ・ウェスト主演。スパイク・ジョーンズ監督ショートフィルム「We Were Once a Fairy Tale」

最新映画「かいじゅうたちのいるところ」の日本公開を2009年1月に控えたスパイク・ジョーンズ監督。なんとラッパーのカニエ・ウェストが主演俳優をつとめる最新ショートフィルム「We Were Once a Fairy Tale」がUSのiTunesにて販売をスタート。同コラボによる2007年の傑作MV「Flashing Lights」では車のトランクに入れられ、スコップで殴られていたカニエ君。今回は11分間のショートフィルムでシリアスな演技にチャレンジしている。

ショートフィルムの舞台はLAの華やかなナイトクラブ。白いタキシードに身を包むカニエ君はかなりの泥酔状態で、周囲の取り巻きも困惑状態。暴言を吐いては友人に白い目で見られ、女の子に嫌われ、気まずい雰囲気のなか自身の曲「See You In My Nightmares」がかかると「これ、オレの曲だ!皆踊れよ!」と虚しく空回りするカニエ。酔いつぶれたカニエはトイレで自らの腹を割き、彼の中にいるネズミの悪魔と対峙する…。ジョーンズ監督は悪趣味とも言える過剰な演出で、華やかなクラブで感じる孤独感をリアルに描く。「酔っ払った嫌な奴」というパブリック・イメージをわざわざ強調するカニエの演技もなかなかのものだ。

ネズミの悪魔は映画「かいじゅうたちのいるところ」に登場したパペットを使用。撮影は2009年1月、LAで2日間かけて行われた。日本のiTunesでの販売は未定となっている。

■ビル・プリンプトンともコラボレーション
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また、カニエはインディペンデント・アニメーション界のスーパースターBill Plympton(ビル・プリンプトン)ともコラボレーション。カニエの歌詞にイラストをつけた絵本「Through the Wire」を発売した。カニエが音楽の夢のために大学をドロップアウトしたことや、 Gapでチノパンを折りたたんでいた頃のことを語り、プリンプトンがそれぞれの曲のディテールを詳細に描きこんだイラストを付ける。こちらもプリンプトンのファンから「どうしてカニエと…!」と議論を巻き起こしている。「ヒップホップ界で一番賢い男」ことカニエ君がこれから何をしてくれるか楽しみだ。

2009年10月22日

アイデアが冴えるイタリア風味の仕掛け絵本アニメ「Videogioco」

"Videogioco" dir: Donato Sansone
次々にフレッシュなアイデアが飛び出す映像の世界。写真を使ったコマ撮りアニメ「オオカミはブタを食べようと思った」や「記憶全景」も記憶に新しいところだが、今度はイタリアより斬新なアプローチのアナログ・アニメーション作品「Videogioco」が登場。しかけ絵本でおなじみのフリップ形式のコミックを部屋いっぱいに敷き詰め、指で一つづつめくっていったものをテンポのいいカメラワークでアニメーションさせた作品。まるでアクションマンガのようだ。目にも止まらぬスピードで闘う男たち。その頭部は胴体と切り離され、サッカーボールのように部屋中を跳ね回る…。

このアニメーションの作者はイタリアのアニメーター、Donato Sansone(ドナート・サンソーネ)。現在34歳の彼は、イタリア・ローマの名門撮影スタジオ「チネチッタ」にある国立撮影技術センター(Center Sperimentale of Cinematography)のアニメーション科を卒業。その後自主アニメーションの制作やビデオ・ミュージカルなどを手がけている。そして本アニメーションにスピード感をもたらすサウンド・デザインは、同じくイタリア在住でCM音楽からアート作品まで手がけるEnrico Ascoli(エンリコ・アスコーリ)。

映画だけじゃない!世界初3Dデジカメから3Dディスプレイまで、日常で楽しむ立体映像

映画の誕生から104年、カラーテレビ本放送開始から49年。テレビは一家一台以上の時代となり、ハイビジョン化、薄型化は当たり前のものとなった。そしてコンテンツ面ではDVDやオンデマンドが普及。家族で同じ番組を見ていた時代から、それぞれが好みの映画・映像を楽しむ個人主義の時代になっている。そして2009年、業界のブレイクスルーとなる期待を集めるのが立体視映像だ。自分で撮影したり、リビングで楽しんだりできる、新しい立体映像の楽しみ方をご紹介。

■フジフィルムから裸眼3Dデジタルカメラ登場
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裸眼3Dカメラ「FinePix REAL 3D W1」 
立体映像を見るだけでは物足りない方には、フジフィルムより発売された3Dデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」をオススメ。これは立体画像が裸眼で確認できる世界で始めてのデジタルカメラ。サイズは同社の2Dデジカメより一回り大きく、100g程度重い。静止画だけでなく動画も立体で撮影可能、他にも一つの被写体をズーム/広角で撮影するなど、これまではできなかった撮影が出来るのもポイント。実際使用してみた感想は、被写体によって立体の見え方にかなり差があるということ。構図にパースペクティブのある写真や、被写体の奥行きにはっきりと差があるレイヤー状のものはストレスなく3Dで楽しむことができる。逆に暗い場所には弱いので、使いこなすにはコツが必要だ。
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カメラモニタ上の再生シーン。撮ったその場で楽しむことができる。


■裸眼3Dモニタもあります
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FinePix REAL 3D V1」 カメラからワイヤレスで画像を送信できる専用デジタル・フォトスタンド 二つのレンズで取り込んだ画像を短冊状に刻み、右目と左目、それぞれのために視差を付けた映像を配置し、立体化させる「視差バリア方式」を採用。


■3Dカメラと相性バッチリの3Dモニタ「ZM-M220W」
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ZM-M220W」 ZALMAN社は韓国発、もともとランプ付きPC冷却ファンなど、マニアックなPCアクセサリを作っているメーカー。
3Dカメラの映像をもっと大きな画面で再生したい方へ。純正モニタ「FinePix REAL 3D V1」が見づらく感じる方は、ZALMAN社の3Dモニター「ZM-M220W」を使ってみてもいいかもしれない。本製品は3Dデジタルカメラにも対応予定で、モニタに偏光フィルタを貼り付けて3D眼鏡で視聴する「マイクロポール方式」を採用。元が2Dのゲームや映像でも3Dでプレイできるのが特徴だ。「FinePix REAL 3D W1」で撮影した3D画像の視聴には、フリーソフトの「ステレオフォトメーカーVer2.33」を使用。視差バリア方式画像よりもストレスなく見られる上に、22インチで実売価格4万5千円とリーズナブル。
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右目用画像と左目用画像の例。この二つが組み合わされると、積み上げられた本の高さが本物と同じように見える。


■かつてない没入感!パナソニックのデジタルシアター ところで2010年には家庭に訪れると言われる立体映像ブームに備え、パナソニックも現在3Dシアターシステムの開発に力を入れている。2009年10月のCEATEC JAPAN 2009では映画館と同レベルの立体映像を家庭で楽しめる「家庭用フルHD・3Dプラズマ・シアターシステム」をお披露目した。これは2008年にパナソニックが開発した、ブルーレイの立体映像を同社のプラズマ・ディスプレイで再生するシステム。立体映像の再生方式にはハリウッドの劇場と同じ「フレームシーケンシャル方式」を採用。専用メガネを使用して見るブルーレイの立体映像はストレスが軽く、特に実写映像はこれまでにない迫力、リアルさ、迫力、没入感で観客を驚かせた。

■ソニーは単眼レンズ3Dカメラ 一方SONYは、単眼レンズの3Dカメラを開発。CEATEC JAPAN 2009にて試作品を発表した。従来の立体映像用カメラは右眼用と左眼用の2つのレンズを持つ「ハーフミラーシステム」を使用していたが、人間の目は二つの画像の大きさの違いなどに敏感なため、ズームやフォーカスなどでズレを感じてしまうことが多かった。さらに人間の目がボケやジャギーを感じづらい毎秒240フレームのハイフレームレートにしたことや、シャッターではなくミラーを使用し同一条件の画像を右眼用と左眼用のセンサーに導くことで、自然でなめらかな3D映像を可能にしているそうだ。

これまでとは桁違いの映像体験をもたらしてくれる立体映像の世界。あなたはどんなコンテンツを3Dで体験したい?

2009年10月23日

ラッパーECDのあたらしい人生 書籍「ホームシック 生活(2~3人分)」

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日本語ラップの草分け的存在であるラッパー「ECD」が、著書「失点・イン・ザ・パーク」を出版したのは2005年のことだ。華やかに見られがちなミュージシャンのある一面(アルコール中毒やレコード会社からの解雇)を飄々とした文体で語り、音楽ファンに爽やかな衝撃を与えたのは記憶に新しい。

そんなECDの新たな日常エッセイ「ホームシック 生活(2~3人分)」が発売された。WEBマガジン「public-image.org」の人気連載「We Are ECD +1」に連載終了後の後日談を書き下ろして書籍化したものだ。本作ではラッパー廃業まで追い詰められたECDが、24歳年下の新進カメラマン植本一子と出会い、同棲、妊娠、結婚へ至る怒濤の人生が描かれる。ECDの鋭くもホンワカした文章と植本一子の写真とのコラボで語られるハード核(コア)家族の日常は、読んでいるうちに、いつの間にか癒されてしまう。

■書籍「ホームシック 生活(2~3人分)」
ISBN:978-4-8459-0937-7
定価:1,890円(本体価格1,800円+税)
著者:ECD
写真:植本一子
発行:フィルムアート社
ECD プロフィール:1960年生まれ。ラッパー。本名 石田義則。いまや伝説的なHIP HOPイヴェント「さんぴんCAMP」を主催した日本語ヒップホップのオリジネイター。アルコール中毒になり精神病院に収容されるなどの壮絶な過去がありながら、本人は淡々とそれらの過去を作品に昇華することで乗り越え、現在は警備員をしながら音楽活動と文筆活動に才能を発揮している。著書に、「ECDIARY」(レディメイド・インターナショナル)、「失点イン・ザ・パーク」(太田出版)、「いるべき場所」(メディア総合研究所)、「暮らしの手帖」(扶桑社)。

2009年10月24日

パフォーマンス・アートのビッグフェスティバル、「フェスティバル/トーキョー09秋」開催!

Cargo Tokyo - Yokohama / リミニ・プロトコル
2009年2月に開催され、1ヶ月の会期中、6万人を超える観客を集めた舞台芸術の祭典「フェスティバル/トーキョー」が、今回から時期を秋に移行。2009年10月23日(金)より12月21日(月)までの2ヶ月間、「フェスティバル/トーキョー09秋」と題し、池袋・豊島エリアの東京芸術劇場、あうるすぽっと、にしすがも創造舎を拠点に開催する。

今回のラインナップは、ロメオ・カステルッチによるダンテの「神曲」に着想を得た「神曲ー地獄篇」、松本雄吉率いる維新派による、野外を使った大胆な空間演出の「ろじ式」、飴屋法水がサラ・ケインの遺作に対峙する「4.48 サイコシス」、リミニ・プロトコルによるトラックを改造した移動型劇場「Cargo Tokyo-Yokohama」、高山明率いるPortBが劇場前に仮設の個室ビデオ店を出現させる「個室都市 東京」、哲学するヒップホップダンサー、ブルーノ・ベルトラオの最新作「H3」などなど。

演劇やダンスのパフォーマンスのほかにも、伊藤キムのプロデュースによる「おやじカフェ」、シンポジウムやトークなど関連プログラムも多数開催。いずれも人気の公演となっているので、チケットのお求めはお早めに。
■フェスティバル/トーキョー09秋
日程:2009年10月23日(金) - 12月21日(月)
時間:プログラムによって異なる ※詳細は公式Webサイトにて
入場料:プログラムによって異なる ※詳細は公式Webサイトにて
会場:メイン会場:東京芸術劇場(東京都豊島区西池袋1丁目8-1)、にしすがも創造舎(東京都豊島区西巣鴨4丁目9-1)、あうるすぽっと(豊島区東池袋4-5-2 ライズアリーナビル2F・3F)ほか
問合先:フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局 toiawase@anj.or.jp

世界最大のflash&Webカンファレンスが日本初上陸!「FITC Tokyo 2009」

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「FITC Tokyo 2009」
Web、特にflash業界ではその名を知らぬ者はいない、カナダ発のWebデザイン・アートカンファレンスFITC。今や世界最大級のFlashイベントへと発展したこの祭典が、2009年11月28日(土)に「FITC Tokyo 2009」として日本初上陸。東京・ベルサール汐留にてWebデザインやFlash、モーションデザインのほかAdobe AIR、Processingなどなど様々な刺激を与えてくれるエキサイティングなイベントを開催する。それでは注目のスピーカー達をご紹介!

1.アドビ代表:Lee Brimelow(リー・ブリムロウ)
Adobe USのエバンジェリスト、リー・ブリムロウ。Adobe MAX 2009で発表されたFlash Platformのスニークプレビューやロードマップをデモを交えて日本初公開。"超極秘"の新プロジェクトの発表も?!

2. カリスマflashコーダ:Keith Peters(キース・ピータース)
カリスマflashコーダのKeith Peters(キース・ピータース)。ピータースはActionScript3.0を使用したインタラクティブなアニメーションの解説書「ActionScript 3.0アニメーション」(株式会社ボーンデジタル)著者であり、世界的に有名なflashコーディング情報サイトBIT-101の運営者。セッションではActionScript によるアニメーションの基本を紹介してくれる。

3. flashアーティスト:Mario Klingemann(マリオ・クリンゲマン)
flashをツールにするアーティスト、QuasimondoことMario Klingemann(マリオ・クリンゲマン)。プログラマ+芸術家の才能を持つマリオが、ActionScript 3.0の表現力と数学的アプローチによる模様、装飾、形状の美をご紹介!

4. Flash界の重鎮:Grant Skinner(グラント・スキナー)
Flash界の重鎮ともいえるグラント・スキナーが登場。リッチなインタラクティブ体験の分野で世界的に認められるリーダーであるスキナーはAOL、BBC、日産、Adobe、GE、アトランティック・レコードなどなど最大手の顧客とビッグ・プロジェクトを手がけている。

5. HBO「Voyeur」のBig SpaceshipよりJoshua Hirsch(ジョシュア・ハーシュ) ONE SHOW、Clioアワード、カンヌなど世界的な広告アワードを数多く受賞しているNYの広告代理店「Big Spaceship」最高技術者ジョシュア・ハーシュが初来日。HBO「Voyeur」やドラマ「LOST」や、映画「スパイダーマン」などを手がけた彼らのアプローチ、制作プロセスを「Big Spaceship的広告の作り方」として紹介する。

今年はAdobe MAXが日本では開催されないので、最新情報はFITCでゲットしよう。ちなみに2009年10月30日(金)までに参加登録を申し込むと、通常一般9,000円→7,000円、学生13,000円→11,000円と、申し込み料金がお得になる特典も。詳細は公式Webサイトまで。

■FITC TOKYOデザインカンファレンス
日程:2009年11月28日(土)
時間:10:00 - 18:00
入場料:通常 一般9,000円、学生8,000円 ※2009年10月30日まで一般7,000円、学生6,000円
会場:ベルサール汐留
東京都中央区銀座8-21-1 住友不動産汐留浜離宮ビル
問合せ:regist@adobe-max-japan.com

2009年10月25日

ピピロッティ・リスト、GRLが登場!映像だけじゃない「ヨコハマ国際映像祭2009」

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2009年10月31日(土)より、横浜の新港ピア、BankART Studio NYK周辺をロケーションにした映像フェスティバル「ヨコハマ国際映像祭2009」が開催される。テーマはCREAM (Creativity for Arts and Media)。映像を軸に、展示から上映、ライブなどジャンルを超えたあたらしい表現をいろいろな形態で見ることができる。

以下、フェスティバルのみどころをカンタンにご紹介。まずは原美術館の「からから」展も記憶に新しいスイスの現代アーティスト、ピピロッティ・リスト。初の長編映画「PEPPERMINTA」のアジアプレミアと、11月1日(日)の上映終了後にはピピロッティ・リストのトークショーも開催される(詳細はこちら)。また、ホワイトスクリーンにも登場して頂いたグラフィティ・リサーチ・ラボ、通称GRLが登場。半身不随となったグラフィティライターのために、目の動きだけでレーザーグラフィティを描くことができるシステム「The Eye Writer」を設置する。

■多彩なトークショーに注目
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Graffiti Research Lab / photo: Graffiti Research Lab
多彩なゲストによるトークショーも注目だ。映画「庭にお願い(仮題)」では11月3日(火)に冨永昌敬(監督)×須川善行(プロデューサー・編集者)、11月22日(日)には倉地久美夫(ミュージシャン)×須川善行(プロデューサー・編集者)×岸野雄一(スタディスト)が登場する。また11月23日(月)の「現代日本のアニメーション集 山村浩二 セレクション」では山村浩二(アニメーション作家)×大川原亮(アニメーション作家)× 佐藤文郎(映像作家)。大友良英のドキュメンタリー「KIKOE」11月29日(日)上映終了後には岩井主税(監督)×松村正人(元STUDIO VOICE編集長)が予定されている。

他、ル・ステュディオ エルメスによるスペシャルプログラム「マイヨ・ジョーヌへの挑戦」上映からVJ QUIZ(タナカカツキ、伊藤ガビン、いすたえこ)×Merce Deathのライブ「DEEP IMAGES」(11月21日)や肉眼では見えない星まで投影できる移動式プラネタリウム「メガスターⅡ」の展示など、とにかく盛りだくさんの映像祭となっている。

■「ヨコハマ国際映像祭2009」
日程:2009年10月31日(土) - 11月29日(日)
時間:11:00 - 19:00(土日祝/10:00 - 19:00)
入場料:前売り:一般1,000円、大学生800円、高校生300円/当日:一般1,300 円、大学生1,000円、高校生500円
会場:メイン会場:新港ピア、BankART Studio NYK、東京藝術大学大学院映像研究科馬車道校舎 サテライト会場:野毛山動物園、黄金町バザール1の1スタジオ

2009年10月26日

dom&nic監督最新CM。5万個のネズミ捕りと白ネズミが闘う「Mouse」

Kerry "Low Low Cheese - Mouse" dir: dom&nic|agency: Fallon|Post Production Company: MPC
ケミカル・ブラザーズのロボットMV「Believe」やハリセンボンMV「The Salmon Dance」など、独創的な作品で人気のUKディレクターズ・ユニット、dom&nicの最新CM、Low Low Cheese「Mouse」がお目見え!主人公はチーズの匂いに誘われた小さな白ネズミ。夥しい量のネズミ捕りの山をかきわけてチーズにありついた彼だが、バランスを崩して何万個ものネズミ捕りに追われる羽目に。しかし"完璧な"チーズを食べた彼には無敵の力が備わっており、「マトリックス」や「スパイダーマン」ばりのアクションで罠から逃れる…。

本キャンペーンのエージェンシーはFallon。CGを手がけたのは映画「ハリー・ポッター」を手がける腕利きCGスタジオ、MPCロンドン。ネズミのリアルな表現を追及するため、dom&nicはMPCに本モノのネズミをペットとして贈るところからこの仕事が始まったという。

「3Dチームに、ネズミと木製のネズミ捕りをセットで贈ったんだ。このCMは2つのパートに分かれている。MPCではリアルなネズミを作るために3DCGの"完璧なテスト"をしたんだ。最初のチーズを食べるパートでは、ネズミが本能的に警戒しているのを自然に見せることが大切。そして2番目のパートでは、ジャンプしてスピンしてギリギリのところで死から逃れる"スーパー・スタント・マウス"になることが目標だったんだ。3ヶ月のハードワークとクリエイティブなコラボレーションの結果、スクリーン・マジックが起こったと思っているよ!」 と語っており、本作品の出来上がりにとても満足なようだ。ちなみに贈られたネズミはCGチームと共に過ごし、げっ歯類特有の動きと表情のリファレンスに役立ってくれた。

CMに登場するネズミ捕りはなんと50000個!本作のCG表現において、最も技術的に難しかったのはたくさんのネズミ捕獲機がはじけてぶつかるシーン。物理シュミレーションに基づいたツール「ドミノエフェクト」で作り上げたという。毛皮の表現にはMAYAと自社ツール「Furtility」を使用した。いっぽう2Dのコンポジットチームは、8Kサイズの解像度のデータをコンポジットするのに、合成ソフトウェアFOUNDRY NUKEを使用。監督はカメラの動きをコントロールしたいと考え、バーチャル2Dカメラの動きが正しくネズミの動きにズームすることが必要だったので、NUKEはとても役に立ったとMPCは語る。

フルCGで描かれる、世界一スーパーな白ネズミの活躍をお楽しみ下さい。

若手クリエイターの世界的登竜門を勝ち抜いたのは?!「ADC YOUNG GUNS」

ニューヨーク・アート・ディレクターズ・クラブ(ADC)主催のコンペティション「ADC YOUNG GUNS 7」受賞者が発表。これは世界中の30歳以下のアートディレクター、デザイナーから制作した作品を募り、優れた50人に「The final 50」を与えるアワード。世界で最もエキサイティングな若手クリエイター50人がラインナップする、年に一度のお楽しみとなっている。それでは厳しい登竜門を見事突破した強者たちをチェックしてみよう。

■ホワイトスクリーンでもおなじみ、Mixtape Clubらが受賞
Grizzly Bear "While You Wait for the Others" dir: Sean Pecknold
今年もホワイトスクリーンでおなじみのクリエイターたちが多数受賞。まずはキャラクターが魅力的なNYのディレクタートリオ、Mixtape Club(ミックステープ・クラブ)。メロウでナイスなイラストレーションが特徴のアーティストSiggi Eggertsson(シギ・エグルトソン)。Nexusプロダクション所属、クラシックかつポップな作風が魅力のフレンチ・ディレクターコンビFx & Mat。実写映像とモーション・グラフィックスを心地よく組み合わせた自主制作作品「Procrastination」やAdobe「The Seed」を手がけたJohnny Kelly(ジョニー・ケリー)。そしてジョアン・ミロのような美しいストップモーションMV、Fleet Foxes「Mykonos」を手がけたSean Pecknold(ショーン・ペックノルド)らが受賞。

"Mario Basanov & Vidis feat. Jazzu "Who's Shot the Silence" (director's cut) dir: PETPUNK
ほかにもhornetに所属する、ぬくもり溢れる作風が特徴のフランス人アニメーション作家YVES GELEYN(イブ・ジュリン)、東欧らしい、ちょっとダークな雰囲気を持つデザイン&アニメーションユニットPETPUNK、RESFEST2006にも登場したMV、Grandaddy「JED'S OTHER POEM」を手がけたSTEWART SMITH(スチュワート・スミス)らの映像作家も注目だ。

映像作家以外では、アメコミ調のハードボイルドなイラストを手がけるノースカロライナ出身の女性アーティストWesley Allsbrook(ウェズリー・アルスブルック)や、突き抜けたグラフィックが楽しいブラジルのアートディレクターDANILO BOER(ダニーロ・ボエ)、トロントのフォトグラファーSYLVAIN DUMAIS(シルヴァン・デュマ) 、NYのデザイナー/タイポグラファーJESSICA HISCHE(ジェシカ・ヒーシュ)、SIGGRAPHオープニング音楽などを手がけるサウンドデザイナーDAVID KAMP(デビッド・カンプ)なども要チェック。

■日本からはふるしょうようこ氏が選出!
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(c)YOKO FURUSHO
2008年はartless、川村真司氏ら3名が受賞した日本勢。今回はNY在住のイラストレーター、YOKO FURUSHO(ふるしょう ようこ)氏が選出された。ふるしょう氏は東京生まれ。女性のキャラクターが登場するファンシーでガーリーな画風が持ち味で、HPフランスなどのイラストを手がけている。

ほか、50人のきらめく才能たちがWebサイト「ADC YOUNG GUNS」にて受賞作品とともに紹介されている。新しいクリエイティビティの息吹を感じてみよう!

2009年10月27日

サイヨップ&アードマン他、キャラクター勝負な秋の新作コレクション

パッション・ピクチャーズ、サイヨップ、アードマンなど有名スタジオより秋の新作がそろい踏み。魅力的なキャラクターが登場する最新作をまとめてご紹介!

■パッション・ピクチャーズが贈るコークCM
Coca-Cola Zero "Happy Kingdom" dir: Pete Candeland
ビートルズの音ゲー「ザ・ビートルズ・ロック・バンド」の美麗アニメーションも記憶に新しいパッション・ピクチャーズPete Candeland(ピート・キャンデランド)監督。最新作は、オグルビー・アルゼンチン(エージェンシー)とのタッグによるコカコーラ・ゼロCM「Happy Kingdom」。CMの舞台は雨が降り続き、陰鬱な空気が立ち込める魔法の王国。使者が王様に届けたコカコーラゼロを飲むや否や、太陽が顔を出し、サイクロプスやドラゴンが歌って踊る楽しい世界に変わってしまった!

■サイヨップ最新作、なめらかなCGキャラが踊る「Mime」
Fanta "Mime" dir: PSYOP
常にハイクオリティの映像を送り出す鉄板スタジオPSYOP(サイヨップ)の新作CMは、日本でもおなじみの清涼飲料水「ファンタ」のフランス向けCM「Mime」。クレイアニメの人形のような質感のCGキャラクターが、ティンティンズのヒット曲「Shut Up and Let Me Go」に合わせて活き活きと踊りだす。キャラクターデザインはサイヨップのクリエイティブ・ディレクターMarie HyonとMarco Spierのコンビ。エージェンシーはOgilvy & Mather。

■Bent Image Labはコマ撮りアニメCM「I Exist」
"I Exist" dir: Ken Lidster
続いてはカリフォルニアのBent Image Labより。アメリカン・フレイバーで常に攻めの姿勢の清涼飲料水、ドクター・ペッパーのCM「I Exist」ではイースターバニー、サスカッチ、歯の妖精からサンタクロースまで、アメリカではよく知られる架空のキャラクターたちが登場。自助グループにて、「どうやったら存在を信じてもらえるのか?」と話し合っている。そこにゼロカロリーのドクターペッパーが現れ、「おいしいノンカロリードリンク」が本当に存在するのだと主張するのだった…。ファンタジーなキャラクターの現実的な面を、コマ撮り技法でユーモラスに描く。監督はKen Lidster(ケン・リッドスター)。

■アードマンからはチョコシリアルボクサー「BOXING」
WEETOS "BOXING" dir: Sumo Science
UKの名門アニメーションスタジオ、Aardman(アードマン)が、シリアル「WEETOS」のCM「BOXING」を公開。チョコレート・シリアルのボクサーが果敢に戦いを挑む相手はなんと巨大なスイカ!他にもYouTubeにて、このやたらと威勢のいいチョコシリアルくんのCM「Chop」も公開中。なおアードマンの看板キャラクター、ウォレス&グルミットの最新映画「ベーカリー街の悪夢」DVD発売が2009年11月27日(金)に控えている。

■ポストマン・パットが帰ってきた!
Specsavers "Postman Pat" dir: Darren Walsh
最後にご紹介するのは、またまたパッション・ピクチャーズより、ブラビアCM「Play Doh」のDarren Walsh(ダレン・ウォルシュ)監督最新CM「Postman Pat」。主人公は80年代に放映されたUKの人形劇「ポストマン・パット」。日本では「ポンキッキーズ」の1コーナーとしてTV放送されていたので、ご存知の方も多いかも(ちなみにパットの声優は竹中直人)。アニメでは温厚な性格のパットだったが、本CMではメガネがないばかりに街を破壊してしまう迷惑なキャラクターとして登場する。

UKインディバンドEditorsがGoogleストリートビューをハッキング。仕掛け人はあの人!

"Editors hack Google Street View in London"
UKバーミンガム出身の人気バンドEditors(エディターズ)が、ニューアルバム「This Light And On This Evening」のプロモーションWebサイトを大改造!Googleマップ、Googleストリートビューとマッシュアップし、アルバムの曲世界をインタラクティブに体験できるコンテンツ「EDITORS/Streetview」を公開した。これまでWebサイトを使ったバンドのプロモーションといえば、ブラウザで見るインタラクティブなミュージックビデオ(MV)のLabuat「Soy tu aire」やMoth Super Rainbow 「Born On A Day The Sun Didn't Rise」などがあったが、今回はテクノロジー寄りのアプローチとクールなインターフェイスを両立させている。

それではWebサイトを体験してみよう。本サイトでは普通のストリートビューと同じようにロンドンの町並みを歩くことができる。画面右下にマークされた地図をクリックすると、それぞれカムデン・タウンのプリムローズヒル・ロードやテムズ川沿いのサウスバンクなど、アルバム収録曲のインスピレーションの源となった場所にジャンプする。ジャンプした先では、画面左上のレーダーの水色のドットが中心になるように動いてみよう。しかるべきポイントに行くと赤い矢印が出現するので、あとはクリックして別世界に入り込むだけだ。ストリートビューの世界に入り込んだエディターズのメンバーと仮装したファンに会うことができる。撮影はJames Royall(ジェームズ・ロヤール)が180度撮影できる魚眼レンズを使用、「PTGui」というソフトウェアで張り合わされた。プログラムはGoogleマップとストリートビューのAPIをハッキングし、カスタマイズしたフラッシュとJavaスクリプトで処理されている。

さて、このサイトの仕掛け人はSONYミュージックのクリエイティブディレクターPhil Clandillon(フィル・クランディオン)。AC/DCのアスキーアートMV「Rocks the Office」やカルヴィン・ハリスの女体シンセ・プロジェクト「Humanthesizer」を手がけた人物だ。クランディオンはこのプロジェクトについて「曲に関連したシュールなパフォーマンスをファンたちに仮装してもらって撮影したよ。このGoogleストリートビューでは普通のストリートビューにはないロケーションに立ち入ることができるし、ロンドンの夜の雰囲気を味わってもらうことができるんだ」と語る。エディターズによるロンドン賛歌ともに、美しいロンドンの景色をしばしお楽しみください。

2009年10月28日

OP映像はWarp Films×フレームストア!DJゲーム「DJ Hero」登場

"Editors hack Google Street View in London" dir: Marco Puig|production company: Framestore in association with Warp Films|VFX: Framestore 
友達や家族とワイワイ楽しむコミュニケーション・ツールとして人気の「音ゲー」。世界的大ヒットとなった「ギターヒーロー」を生み出したアクティビジョン社が、DJ編「DJ Hero」を発売。YouTubeにて、Warp FilmsのMarco Puig(マルコ・プイグ)監督とロンドンのVFX会社Framestore(フレームストア)がタッグを組んだオープニング映像「DJ Hero Intro Cinematic」を公開した。映像の舞台は近未来の"ヴァイナル・プラネット"。巨大なレコード針を操るテロリストに、DJたちがダンスサウンドで立ち向かう…!エレクトロニック・アーツ社「ロック・バンド」シリーズCMのようなトレーラーが登場するのはお約束?音ゲーの火付け役となったコナミのゲーム「beatmania」が脳裏によみがえる。

本作品ではフレームストアの3Dアーティスト25人が、76ものHDショットを6週間のタイトなスケジュールで制作。デジタル部リーダーのMike Woods(マイク・ウッズ)は「我々はゲーム業界において、もっと大きな役割を果たしたいと考えています。映像だけではなく、キャラクターや環境などについても。弊社の3DスキルをTVゲームのリアルタイムレンダリングの世界で活用できたら、すごくエキサイティングですよね!」と語る。

■ダフトパンクも登場!
"DJ Hero - Daft Punk Trailer"
ところで、「DJ Hero」とはどんなゲームなのだろう?まずプレイヤーはメインキャラクターをチョイス。ブラック・アイド・ピーズやビースティ・ボーイズ、N.A.S.A、JAY-Z、エミネムなど100曲が収録されており、専用のターンテーブル型コントローラーにて2つの曲をmixしていく。ゲームにはダフトパンクや本ゲームの開発に参加したDJ Shadowも登場するということで、音楽ファンにも見逃せない内容となっているが、日本での発売は未定。今後の発売をぜひとも期待したい!

ホワイトスクリーンおすすめ、映像作家お役立ちのアプリはこれだ?!

2007年6月のiPhone登場から1年4ヶ月。iPhone上でゲームやニュース購読などが楽しめるiPhoneアプリ(以下アプリ)は依然目覚しい成長を続けており、2009年4月の10億ダウンロード達成後、たった5ヶ月で20億ダウンロードを記録!アプリの本数も8万5千本以上となり、市場は低価格&ハイレベル化に拍車がかかる戦国状態だ。さらに10月5日のAdobe MAX 2009ではFlash Professional CS5上でアプリを開発できるようになったという発表があり、さらに間口が広がって、バラエティに富んだ作品が生まれると考えられている。ホワイトスクリーンおすすめ、映像作家必携のアプリをご紹介!

■ワーク編
・ストーリーボードがiPhoneで作れる「Hitchcock」
「Hitchcock」
映像制作には不可欠なストーリーボードが、iPhoneで作れてしまうお手軽アプリ「Hitchcock」。写真素材を入れ替えたり、カメラワークなどを書き込んだりしてストーリーボードを作ろう。作品はPDFで書き出し出来る。「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

・撮影監督必携!太陽高度を計測「Helios Sun Position Calculator」
「Helios Sun Position Calculator」
「Helios Sun Position Calculator」は撮影監督のためのアプリ。任意の日に太陽がどの位置にあるのか、正確な情報を計算してくれるのだ!アプリではGPSを使用し、正確な太陽の高度と影の長さ、方位の位置をグラフィカルに表示。傾斜計としての機能もあり、撮影監督、ガファー、グリップらにかなりお役立ちの逸品となっている。「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

・プロも必携!「pCAM Film+Digital Calculator」
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「pCAM Film+Digital Calculator」
ムービー、スチル、どちらの撮影にも役立ってくれるアプリ「pCAM Film+Digital Calculator」。被写体までの距離とレンズ、カメラの種類などを入力すると撮影範囲を計算し、被写界深度、カラー補正などについても割り出してくれる。4,600円と高価だが、その価値はある…!「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

・ポケットサイズの「iカチンコ」
「iカチンコ」
これからはカチンコもiPhoneで!「iカチンコ」は黒板に白いチョークで撮影シーンを書き込み、本体を振れば軽快なカチンコ音が鳴り響くアプリ。「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

■リラックス編
・不況を楽しくする「The Puma Index」
「The Puma Index」
こちらは息抜きにどうぞ。不況にあえぐ世界経済をちょっと楽しくするアプリ「The Puma Index」が登場!これはスポーツブランドPUMAより発売されたボディウェアのプロモーション。マーケットの株価が下がると女の子(もしくは男の子)モデルが服を脱いでくれるというおばかアプリだ。「あなたが丸裸になった時、彼らも服を脱いでくれます」とのこと。エージェントはNYのDroga5。Webサイト版もご用意しているのでぜひチェックしてみよう。「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

・童心?に帰れるアプリ「PUFF!」
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「PUFF!」
お次は男性の支持率100%、子供の頃に誰もが一度はやった?スカートめくりが体験できる「PUFF!」。制作は日本のボトルキューブ。iPhone右下のマイクに向かって息を吹きかける(iPod touchは画面を下から上にこするべし)と、悲鳴とともに女の子のスカートがめくれるというシンプルなアプリだ。息の長さもしくは画面をこする回数によってめくれぶりが変わるので果敢にチャレンジしてみよう。女優やモデルを起用し、被写体レベルを上げた点も人気の秘訣だ。「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

■アーティスト編
・米原康正with iPhone!「LOVEYONE special issue vol.1」
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「LOVEYONE special issue vol.1」
世界で唯一、チェキをメイン機材とするフォトグラファー、ヨネちゃんこと米原康正がiPhoneアプリに参入。ランジェリーブランド「Ravijour」とコラボし、180枚を超えるイメージカットとイメージムービーが時間ごとに再生されるセンシュアルなアプリだ。渋谷ギャルムーブメントのキーパーソンである米原氏の撮りおろし写真がぎっしり。「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

・アートユニットEXONEMOがアプリをドロップ!
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「FragMental Storm」
Webサービスで使われる認証システム「CAPTCHA」でカスタムTシャツが作れる「EXONEMO ANTIBOT TSHIRTS」も好評だった、アートユニットEXONEMO。彼らが2000年に発表したメディアアート作品「FragMental Storm」をiPhone/iPod touchに移植したアプリ「FragMental Storm for iPhone」をリリース。iPhone/iPod touchのGPS情報やiPodとシンクロし、紐付けされた画像が幻覚のようにディスプレイで踊る。「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

・Fladdict制作、iPhoneでティルトシフト「TiltShift Generator」
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「TiltShift Generator」fladdict氏によるティルトシフト写真
最後におすすめしたいのは、叙情的な表現が大人気のティルトシフト写真がiPhoneでカンタンに作れてしまうアプリ「TiltShift Generator」。「トイカメラ」などを手がけたfladdict氏と森琢磨氏の共作アプリ。どんな写真でもミニチュアのように加工することができる。コツはできるだけ広角っぽく、高いところから撮った写真を使うこと!「App Store」での詳細はこちらから(iTunesが起動します)。

2009年10月30日

This is MV!児玉裕一×ドロップ×ROBOTが語る、椎名林檎MV「都合のいい身体」

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左から:芦沼智行氏(ロボット)、児玉裕一監督、橋本三郎氏(ドロップ)、紙谷崇之氏(ロボット)、古宇田英之氏(ドロップ) ドロップではジム・ウッドリングの"FRANK"アニメ化も手がけている。
ディズニー黄金時代を彷彿とさせるアニメーションで、椎名林檎とキャラクターたちが歌って踊るミュージックビデオ(MV)「都合のいい身体」が登場!早速このMVを作り上げた映像作家の児玉裕一監督(キャビア)、アニメーション制作会社(株)ドロップよりディレクター橋本三郎氏とプロデューサー古宇田英之氏、映像プロダクション(株)ロボットよりプロデューサーの芦沼智行氏とプロダクションマネージャーの紙谷崇之氏を招き、このビデオを制作した舞台裏を語って頂いた。

"都合のいい身体" dir: 児玉裕一|animation: ドロップ
――椎名林檎さんの楽曲「都合のいい身体」を、こういう形のMVにしようと思ったきっかけを教えてください。
児玉裕一(以下児玉): 楽曲を聴いて、音楽的に非常に豊かで普遍的なものを感じたんです。だからこそこの曲は"純粋に音そのものを映像で表現したい"と思ったんですね。音楽って全体を通してみると色彩や明暗みたいなイメージをかき立てますが、音のひとつひとつを聴いてみると「膨らむ」「下がって上がる」「引いて寄る」「跳ねる」といったような、まるでカメラワークやアニメーション的感覚が際立ってきます。昔ディズニーが制作した「ファンタジア」がこの表現の最高峰だと思っているんですが、恐れ多くもこの表現をしてみたいと思ってしまったんです。アニメーションは実写よりもカメラワークもアクションも自由ですから、よりハチャメチャな画作りもできる。それと椎名さん自身の「身体」をテーマにしたかった。だからアニメーションと実写のコラボレーション企画を考えました。そして、アニメーションの制作をロボットさんに相談したんです。「「ファンタジア」が作りたいんですけど、僕どうしたらいいですか?」って(笑)。

芦沼智行(以下芦沼):児玉さんに「ファンタジア」が作りたいんです」(笑)って言われて…。「ああ、はい…」って思ってたんですが、「林檎さんの体がどんどん完璧になっていく冒険の物語なんです」と説明いただき、絶対に面白くなる!って思ったんです。で一緒にやらせてくださいってお返事したんですが、納期まで時間もなく、果たして「ファンタジア」、ディズニーって日本で出来るのか?とリサーチからはじめました。弊社の野村辰寿(アニメーション作家)にも相談して、たどり着いたのがドロップさんだったんです。

橋本三郎(以下橋本):僕は元々東京ムービーというところでアニメーションや背景をやっていて、その後テレコムに務め、日本にディズニーが出来る時に呼ばれて入ったんです。ディズニージャパンで「アラジン 」、「チップ&デール」、「リトル・マーメイド」のテレビシリーズを手がけていました。

児玉:世界中のディズニーで分担作業をして作るんですか?

橋本:はじめてテレビをやったのが日本だったんです。ディズニーがテレビシリーズをやることは殆ど無かったんです。テレビシリーズをはじめてやるとなった時に東映と東京ムービーにテストを出したんです。「ガミーベアーの冒険」という作品でした。東京ムービーが結局やることになって、しばらくそこでやっていたのですが、日本のアニメ会社って予算や時間に縛られてしまいます。ところが、ディズニーはそういうものは関係なくクオリティだけ。そこでどうしてもぶつかってしまって遂に東京ムービーを蹴飛ばしてしまった(笑)。ディズニーってちょっとでもクオリティが低いと絶対外に出さないんです。今見ているもの以外にその下には沢山のお蔵入り作品が有るはずです。で、結局自分のところで会社を作ったほうがいいんじゃないかということでディズニージャパンが起ち上がり、オーストラリア、カナダ、フランスと拡がっていきました。今は規模縮小でなくってしまいましたが。そういう話を野村さんとしていたところ「椎名林檎さんのMVやりませんか?」とお話をもらったんです。

――ディズニーのテレビシリーズが日本で作られていたのには驚きました。
橋本:野村さんから話をもらった時に、スケジュールがタイトでフルアニメーションでは出来る物量じゃなかったので「リミテッド・アニメーションですか?」と聞いたところ「いや、違います」と。

児玉:すみません(笑)。

――リミテッド・アニメーションとは?
橋本:いわゆるテレビアニメ的な、動きが限定されたアニメーションです。フルアニメーションは一秒間にだいたい24枚(の画)なんですが、リミテッド・アニメーションは日本だと一秒間に8枚が多いんです。ディズニーのテレビだと、昔のクラッシクスは24枚なんですが大体12枚が多いですね。フルアニメーションだと単純に考えて1分間に1,500枚くらい必要になってくる。椎名林檎さんの楽曲は3分程度と聞いていたので何千枚も必要になってくる。でも、おもしろそうだなって事で参加させていただきました。

児玉:承諾もらった次の日に打ち合わせに行って(笑)。

橋本:児玉さんの事も僕はよくわからなかったんですけど、安室奈美恵のヴィダルサスーンのCMを見て凄いなって思ってたんです。まさか日本人がやっているなんてとても思っていなかった。そしたらそれをやった人だと言うじゃないですか。ちょっとビビりましたね。それでコンテや参考映像など見せてもらったんです。ジーン・ケリーがアラビアの踊りをする映画「踊る大紐育(ニューヨーク)」ですね。僕は最初実写の林檎さんシーンとは別でアニメーションが入ると思っていたんです。とてもじゃないけど実写とアニメを融合させるなんて今回は無理だと思ってましたし、そんな事を考えているなんて思っても無かった。でも実際コンテ見たらそういうのばっかりで、しかも踊っている(笑)、コンテには"ダンス"としか記されて無いので、どういう踊りかもわからない。でも話をしたり、児玉さんがPCで作った「ファンタジア」の光のダストのようなものを見せてもらっているうちに「出来るかな」って感じ始めました。

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右のコンテが、児玉監督による絵コンテ。赤の部分がアニメーションパートとなっている。左のコンテはドロップが作成したアニメーションコンテ。

児玉:僕がどれだけアニメーションのトーンにこだわっているかというのを説明するためにお見せしたんです。ディズニーの光のキラキラしたパーティクルやトロトロと落ちてくる感じが大好きで、自分で昔から研究して試作していたんです。「研究の成果がコレです」ってお見せしたんですよね。

橋本:いやぁ、びっくりしましたよ。僕らはそれをディズニーダストって言うんですが(シンデレラで出てくる魔法をかけるときのキラキラ等)、手描きなんですよね。大変な作業ですが、ディズニーではキャラクターのアニメーションをする人とエフェクトだけをする人と別れているんです。そういう専門のアニメータがいて、それも全部要求されても無理だな~って思ってたんです。児玉さんがそういうことが出来るっていうのが驚きでした。

児玉:今回は音に対して自由に動くアニメーションをつくりたかったんです。原型をとどめて無いくらい、グニャングニャンした。それがめちゃくちゃ大変だというのは重々承知で(笑)。

橋本:でもそれがアニメの面白さなんですよね。僕らはどっちかというとそういうのをやりたいのですが、今やっている仕事では、なかなか無いんですよね。本来アニメらしいやわらかいものをやりたかったので、こんな機会を与えられただけでもうれしかったですね。

――実写は24コマ撮影ですか?合成は監督自らが作業したんですか?
児玉:そうです。撮影は24コマでしています。アニメーションはドロップさんにお願いして、「合成は僕がやります!」と。「このデータは誰にも触らせません!」って。いや、本当誰にも触らせたくなくて。

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杉崎貴史さんのオリジナルデザインから世界観を統一するために橋本さんが再デザインし仕上げていったキャラクターたち。

――アニメーションの方は頭から作業していくんですか?
橋本:基本的に頭からやっていきます。テレビは作業的に楽なところからやっていったりしますが、フルアニメの場合は一回動き出すと止まらないのでやるしかない。

――今回ドロップさんスタッフ何人くらいかかわっているんですか?
橋本:ディズニーにいた時から一緒にやっている和田恒とほぼ2人でやってます。僕のやりたい事を理解しているんですね。動画や撮影スタッフの人選は古宇田がやっています。

古宇田英之(以下古宇田):そこはスタッフをかき集めて作業しました。総勢20名位のアニメータが参加してるんです。

橋本:通常なら中国に出すんですが今回は全て日本でやってくれと。

古宇田:テレビは時間がないので中国や韓国に発注する事が多いんです。

橋本:フルアニメの場合ちょっとでもガタガタすると全てが台無しになってしまうので、妥協ナシでやりました。

――実際にどういうプロセスで行われるんですか?
児玉:完成するまでに段階が有るんです。まずテスト撮影というのがあって、間のコマを割っていない状況のビデオを作るんです。

テストムービー

橋本:ラフをつくって動画にしていく。原画から動画をこのアニメーションシートにまとめていきます。原画のところに○がついていて。動画で通し番号をつけています。フルアニメの良さって段階ごとにどんどんよくなって、本当の良さは最後の作業で出る。過程で出来上がっていくのが楽しい。テレビアニメだと最初のステージング(レイアウト)を書いたらそこからもうほとんど変わらないですよね。

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編集部もはじめて見るアニメーションシートに感動を。

――制作期間はどれくらいなんですか?
芦沼:正味一ヶ月弱ですね。最初に打ち合わせでお伝えしたんですが、ドロップさんは半信半疑だったんじゃないでしょうか?普通では考えられないほど短期間なので。

橋本:しかもこのクオリティで。他にも仕事あったんですが最優先で(笑)。

芦沼:ドロップさんも時間ぎりぎりまで、前日までやってもらったんです。必然的に合成をやっている監督も前日まで(笑)。

児玉:本当、そこまでやってくれてうれしかったです。

――アニメーションはディズニーで培ったノウハウが活かされているんですね。
橋本:そうですね。本当にそれだけでやっているような。今までその経験を活かす場というのがあんまり無かったんですよ。原画をやってくれた彼とも久々にやって楽しかったねって話してました。

児玉:体重計が林檎さんを追いかけてくるシーンがあるんですが、体重計が勢いがつきすぎてキュキュキュっと方向をかえて向かってくるところ等、とても豊かで音楽的だなって思ったんです。とくにこの曲は生音が迫力があるので、強弱のつけ甲斐がありましたよね。

橋本:リズムってとても大切なんです。シートをみるとよくわかるんですが、この1ブロックは1フィートと僕たちはよんでいるんですが、16 コマになっていて8コマ単位なんです。8コマっていうのは人間の鼓動にあっているんです。僕たちはシートを作るとき「カカッ、ブーーン」とか言いながらタイミングとってやってます。リズムがあるんですね。ディズニーでは"生き生きとしたアニメをやらなくちゃダメだ"って言われる。とにかくエモーション。和田(恒)はディズニージャパンでもナンバー1だった人で、こういう感覚が得意なんですよね。魚が歌っているシーンとか彼の右にでるものはいないんじゃないですかね。

児玉:あたりまえのように手足の無い枕が踊っているように見える!というのが凄いなって思ったんです。

橋本:あれ、苦労しました(笑)。合わせていく林檎さんの実写を見て、あれ~って思っちゃった。

児玉:あのダンスを踊る林檎さんも凄いと思いました。とにかく美しくてキュート。

橋本:児玉さんのコンテを見てて思ったのがディズニーのミュージカルのコンテの流れとあってるんですよね。林檎さんの音楽の演出の仕方も。だからやっていて違和感が無いんですね。僕らがやってきた事をやっているので時間が短くても全然違和感なく出来たんだと思います。感覚的に気持ちよく出来て、改めて凄いなって思いました。林檎さんがあんなに踊れるっていうのもびっくりしましたね。

――椎名林檎さんの動きもアニメを意識した演出でとても魅力的ですね。
橋本:児玉さんの合成した物をよく見るとコマを中抜きしてアニメっぽくしたりしてるんですよね。一回しか会って無いんですが、そういった小技とか、途中経過の映像をやりとりしながら「あ~やってるな」って(笑)。

児玉:最初に打ち合わせしてから実は一回しか会って無くて、あとは電話とメールとサーバーで(笑)。でも絶対の信頼感がありましたね。最後合成して「出来上がりました~!!」ってDVDをもって行ったのが二回目(笑)。

橋本:わざわざ遠いところまで。東久留米ですから(笑)。

――ディズニーのいう"生き生きとしたアニメーション"は具体的にどういうルールでつくられているんですか?
橋本:(おもむろにノートをひろげて)いろんなルールが沢山あるんですよ。昔勉強をしててノートにまとめたのがあるので持って来ました。これに僕の秘密が一杯書かれてます。

一同:おお~!

橋本:"真実味がありそして歯切れのよい生き生きとした質のあるものを描かなければならない〝これがリズムというところの一番大切なところです。ステージングと呼んでいるレイアウト(キャラクターの配置等)について色々と書いてたり、ディズニーのカルアーツという大学の教本から抜粋をしていたり、アクションについて、そしてウォルト・ディズニーが言った言葉など…。これが今回の作品に全部活かされているんです。

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ディズニーアニメの秘密が一杯書かれた橋本さんのノート

橋本:例えば"アクションはステージングが命だ"。今回のMVでは、アニメの体重計がどこからはいってきて、林檎さんがいて、どこまで行けば動きの幅が広がるか。例えば真ん中に林檎さんがいてそこで体重計が止まってしまっては面白くない。入ってきて一度通り過ぎて戻ってきて、また通り過ぎる。動きの幅を大きくすると、アクションの幅がでるんですね。

児玉:もともと僕は一直線においかけてくるのを想定してたんですが、この動きを提案していただいて、これはもうお任せしようと。

橋本:ブラカモメ(ブラジャーを模した鳥)が飛んでいるところも風を受けて一度開いてバタバタとなったり、蛇も一度口を開くんですけど、更にもう一回開くとか、そういったセカンダリー・アクション、つまり、一つの大きなアクションに二次的なアクションをつけるのが大事なんです。もう一つアンティシペーションというのがあって、動く前に一度準備動作をいれ、動いて、フォロースルーにつなげると。例えば起き上がる際にそのまま起き上がるのでなく、一度しゃがんでから起き上がるのがアンティシペーションですね。止まる時はピタっと止まると硬くなってしまうので、部分的に止まっていくんです。全てがオーバーラップしながら動くと空間が出てくるんですね。生き生きっていう意味でいうと"スクオッシュ&ストレッチ"と言う、形を潰して伸ばしてやる方法もあります。ボールとかわかり易い例ですね。近年の3DCGはそればっかりになっちゃっていて単調で面白くないですけどね。動きだと"スナップ&クッション"とか、そういうのが全部あるんですね。みんなこういうのを何年もやりながら学んでいくんです。フルアニメーションは経験の中から習得できるものなので、一朝一夕にはできないですよね。

児玉:こういうとこまでやってくれるプロダクションってどんどんなくなってきてますよね。

橋本:いや、もうないですよね。そもそもそういう仕事がないんです。

――一番の思い入れのある箇所を監督と橋本さんそれぞれ教えてください。
橋本:僕はやっぱり林檎さんをキャラクターにしてアニメーションにした所かな。デザインに苦労しましたからね。「グラマラス」というキーワードをもらってて、僕はそれに加えクラッシックなイメージがあったのでベティーちゃんっぽいのがいいかなって思ってたんですが、児玉さんから、ラルフ・バクシが作ったブラッド・ピットとキム・ベイシンガーが出ているフルアニメーションの映像資料で「クール・ワールド 」をもらったんです。それがスタイリッシュでかっこよかった。僕のはリトルマーメイドのアースラみたいなおデブちゃんだったんです。で、よく考えたら、これはグラマーじゃないな…って。グラマーを考え違いしてたんです。それでデザインをやり直したり。でもそういう所が大事なんじゃないかなって思いますね。

児玉:僕は、林檎さんとダンディー(ハンガーのキャラクター)が2人で一緒に踊るシーンですね。このシーンが凄く見たかったので、アニメが上がってきたときは本当にうれしかったです。

橋本:ここのダンスが一番長いカットで大変だったんですよね。描くのが大変だった。実写のガイドの人間の動きを置き換えるのに、足の長さが合わないんですよね。手を握ったりしているので合わせていかなくてはいけない。ちょっと長めにデザインしてみたんですけど…どうしようかな…なんて、思いながら出したらやっぱり監督、見てるところは見てて、直しが来ましたね(笑)。もっと男らしく踊ってくれと。

児玉:ここは見せ場だったので!

橋本:枕のダンスのシーンがあるんですけど、最初の打ち合わせで5体くらいの枕が輪になって踊るというのがあって…。

児玉:林檎さんが巨大化するにあたって儀式の踊りのような場面です。

橋本:それは流石に実際に描く身になってみると…(笑)。時間があればいいですが。その代わり枕2体にして、5体で無理やりやるより動きが楽しいものを考えました。最後はサービスでちょっと飛び上がらせてます(笑)。(枕のアニメーションはこちら

児玉:全カット、思いいれあるんですが、ドロップさんから送られてきたアニメを自分でコンポジットして「あ、出来た!」っていう行程を毎日繰り返してて、テンションが上がりっぱなしでした!

橋本:波のシーンも思い入れがあります。あそこは最初からワルツのようなイメージがあったんです。

児玉:ズンチャッチャ~、ズンチャッチャ~って。随所にドロップ・マジックが効いてますね。最初林檎さんが巨大化するシーンは顔だけ実写でいこうと予定していたのですが、ドロップさんから上がってくるのを見ててこのタッチで林檎さんが表現出来るといいなと思い、全てアニメーションでお願いしますと。実写の部分の振り付けはユニクロックなどでお世話になっている「振付稼業air:man」にお願いしてアニメーションの際のガイドにしてもらっています。
ガイドとなる実写映像。ハンガーキャラ、ダンディとのダンスシーン

――息がぴったり合った仕上がりですね!
橋本:児玉さんが凄く上手く合成されててびっくりしました。

児玉:映像に粒子がどれくらい乗るといいかとか、実写とアニメの馴染みとかにもこだわってみました。結局一本のミュージックビデオとして見たときに音楽をどれくらい表現できたかが重要。

橋本:児玉さんが「ファンタジア」をやりたいっておっしゃってたのですが、僕にとって「ファンタジア」は絶対に出来ない存在。でも何とか近づけたいと思ってやったんですが…。

児玉:僕が言ってた「ファンタジア」っていうのは音とアニメーションの関係性。今回のMVはしっかり「音楽映像」になったと思います。

橋本:ファンタジア 2000 」って近年コンピュータで作った作品があるんですが、映像的には今風に素晴らしいですが、何か訴えかけてくるものが無いんですよね。

――それは何なんでしょうか?
橋本:やっぱり手作りならではの訴えてくるものが絶対あると思うんですよね。今の3Dのアニメを見ても目の奥に訴えかけてくる何かが無いんですよね。

児玉:最近MVって何なんだろうな~?って考えるんですけど、「こういうのがミュージックビデオでしょ」っていうのが作りたかったんです。

―アーティストもデビューから成長し次のステージに進みます。椎名林檎さんもますます豊潤な音楽性が魅力的です。そういったアーティストを手がける際、どういう所にフォーカスしていらっしゃるんですか?
児玉:僕はやっぱり椎名さんご本人のイメージというよりも、椎名さんの曲のイメージで作ろうと心がけています。逆にそこにしかヒントがないのだと、いつも思います。林檎さんの生み出す音楽って他のアーティストと一線を画しているところがあって、それは普遍性だったり、書いているテーマとか、裏切りも含めて、楽曲自体の存在感が強いですよね。何年たっても消費されない。

橋本:詩が深いですよね。言葉と言葉の間にあるものをちゃんと創っている。「創る」っていうのは言葉のもってる意味だけじゃないところをちゃんと響かせている。僕この仕事まであんまり聞いた事なかったんですが感心しましたね。大好きです。

児玉:林檎さんは音楽のアプローチも毎回違うじゃないですか。今回のようなオーケストラだったり…。そんな林檎さんだから僕たちの作ったアニメーション以上にアニメーションして見えてるんじゃないかと感じています。

――お互いが出会わなかったらこのクオリティは生み出せ無かったですね。
芦沼:本当、小さな奇跡みたいなものですよね。児玉さんが最初から凄いテンションで目とかキラキラしてるんですよね。ドロップさんも凄く情熱的で、僕たちは創造されていく過程を驚きながらみてました。

児玉:僕がドロップさんに電話すると古宇田さんが毎回「ダイジョブですよ~」って凄く明るい。素晴らしいな~って。過酷なハズなのに。古宇田さんの声に癒されてました。

古宇田:僕もこの仕事をやるっていうだけで癒されてました。「私これ!」って一番枚数多そうなカットを持って行く子とか、みんな楽しんでやってました。

橋本:こういう仕事って疲れないんですよ。ユーリ・ノルシュテイン も言ってたんですが「仕事で疲弊しない。仕事から贈り物をもらう」。僕もそんな感じだったんです。

児玉:本来、映像って面白くて楽しかったはずで、この仕事で久々に思い出せました。僕の子供の頃はトムとジェリーとかを夕方に再放送してた時代だったんですが、あのアニメの動きを友達と真似して遊んだ、あの感じをなんとか残したいなぁ。

橋本:僕もアニメーターになりたいって思ったのは、小さい頃からディズニーとか真似してやってたんです。ディズニーに入社してロスの試写室「スウェットボックス」で「ジャングルブック」を見たときに"ドリームカムトゥルーだな"って思いました。でもそれだけじゃダメで、次にいい物を創って見せてあげたいって思うんだけども、そういう場がなかなか無い。小さい時に見た物ってずっと覚えてますからね。大事だと思うんです。このMVは子供にも胸はって見せられると思うんです。

児玉:林檎さんの音楽を聴く世代はとても広いので、小さい子がこれをみて「このアニメ他のとなんか違うな~」って思ってくれたらうれしいですよね。

橋本:やっぱり創り手が楽しんでないと伝わりませんよね。

児玉:年も離れている(笑)スタッフが椎名林檎さんの楽曲を中心に心が一つになって、「みんな創るのが好きなんだ」って実感できた幸せなプロジェクトでした。

クリエイターたちの情熱と小さな奇跡によって生み出された本MV。ほかにも「ありあまる富」など、椎名林檎X児玉裕一による珠玉の映像作品たちは、8月に発売された映像作品集DVD「性的ヒーリング~其ノ四~ 」にてたっぷりと楽しむことができる。

5つの質問 一問一答(児玉監督の5つの質問はこちら
Question 1: 影響を受けたものを教えてください
橋本:月岡貞夫のアニメ教室
古宇田:80年代のアメリカのハードコアバンド
葦沼:仲間(悪友)
Question 2: この職に就いたきっかけは?
橋本:東京ムービーの背景部へ遊びに行くようになってそのまま背景を描くようになり入社してしまった
古宇田:職安で見つけたのがきっかけです
葦沼:「くたばれハリウッド」というゴッドファーザーetc.を作ったプロデューサーの物語を知ったこと
Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
橋本:めぐり逢い
古宇田:ビデオ・ドローム
葦沼:アンダーグラウンド
Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
橋本:ウォード・キンボールのポーズ集、フィギュア(アリス)、モーリス・センダックのポスター
古宇田:ボールペン、ケータイ、おかし
葦沼:ケータイ、タバコ、名刺
Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
橋本:杉浦茂の漫画をアニメにするためにアイデアを練ること
古宇田:スケートボード
葦沼:波乗り
■プロフィール
児玉裕一:1975年生まれ。東北大学理学部化学系卒業。大学在学中より仙台にて映像制作の活動を開始。広告代理店勤務を経て独立。以後フリーディレクターとしてCM、MVなどの演出を手掛ける。2006年よりCAVIAR所属。レギュラーで制作している2007年に公開されたUNIQLOCKでは、カンヌ国際広告祭、ONE SHOW、米クリオ賞の世界3大広告祭全てでグランプリを獲得した。

DROP:FROM 東久留米 TO 世界中(笑) テレビシリーズのアニメーションからCM 、PV、オルタナアニメなどなどを手がけるアニメーションの企画・制作・プロデュース会社。 作品歴:テレビシリーズ作品では「ななみちゃん」、「花咲ける青少年」、「ヤッターマン」など。2008年、ANIBOOM RADIOHEAD PVコンペにて「15STEP」で優勝。ほか、FRANK「HI-RISE HOPPER」(2005年。アメリカンオルタナコミック作家JIM WOODRINGさんのコミックのアニメーション)なども手がける。
■DVD「性的ヒーリング~其ノ四~
TOBF-5650 \2,400(税込)
リニアPCM/16:9 LB/片面1層/APPROX 24min/ALL
収録映像:「ありあまる富」「旬」「流行」「色恋沙汰」「都合のいい身体」―エンドロール―「丸の内サディスティック(EXPO Ver.)」

祝5周年記念!ドット絵ラブストーリーからシャイノーラMVまで2枚組みで迫る「Stash 60」

世界中から選りすぐった最新CMやミュージックビデオ(MV)を毎月お届けしているDVDマガジン「stash」の、5周年を記念する第60号が2009年11月11日(水)リリース!2枚組みのマッシブなボリュームで、話題のCM、MV、ショートフィルムをお届けする!

■目玉は充実のショートフィルム
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映像作家やプロダクションのやりたい事や得意技をいっぱい詰め込んだ、ショート・フィルムたちが大集合。 BAPTISTE SOLA(バプティスト・ソラ)監督による、ドットで描く幾何学的なラブストーリー「The Exchange」。Dylan White(ディラン・ホワイト)監督とネクサスプロダクションによる、かわいいアニメーションで描くダークなストーリー「Yowie and the Magpie」。TANDEM FILMS(タンデム・フィルム)による、ネコ好きなら思い当たる生活のワンシーンを描いたSIMON’S CAT「FLY GUY」はYouTubeで340万回再生を記録した作品。さらにボーナスフィルムにはフランスのPhilippe Grammaticopoulos(フィリップ・グラマティコプーロス)監督による、シュールなディストピアを独特のアニメーションで描く「Les Ventres」(2007年カンヌ映画祭ゴールドライオン受賞作品)などがラインナップしている。

■シャイノーラの傑作MV「STRAWBERRY SWING」収録
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もちろんMV作品も盛りだくさん。UKの映像プロダクションShynola(シャイノーラ)によるコールドプレイ「STRAWBERRY SWING」が登場!UKミュージックビデオアワード2009にて最高賞、ベストアニメーション賞、ベストロックビデオ賞を受賞し、今年を代表する作品の一つとなったことは記憶に新しい。ほかにもインパクト大のMVを数多く生み出したヒップホップ・ユニット、N.A.S.A.の南米サイケMV「WACHADOIN」、パルチザンのヒロ・ムライ監督×LAのアニメプロダクションTitmouseによるTHE FRAY「HEARTLESS」などの話題作も。

そしてボーナスフィルムには、USの映像情報サイトMotionographer主催のクリエイティブ・カンファレンス「F5 RE:PLAY」にて上映されたハイクオリティの作品を収録。シームレスなマラソン映像が気持ちいいBrotherSister「Still Run」やデジタル・オーガニックな3DキューブがたゆたうUbik「Voxel」MVのほか、BLACKLIST、CRUSH、デジタル・キッチンら有名スタジオの新作が目白押しだ。

裏ジャケットには初号から60号までのジャケ写が集合。また、NYのフリースタイル・コレクティブによるステッカーやExpansion Team RecordsのMP3音源を特典としてプレゼント。昔からのファンの目頭を熱くしてくれるだろう。ご予約、詳細は公式サイトにて。

「stash 60」
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ご予約・ご購入はこちら
発売日:2009年11月11日(水)
商品番号:NODS-00060
収録分数: 本編約65分、特典映像約30分 [BEHIND THE SCENE:約15分 ボーナス・フィルム:約15分]
制作年:2009年 製作国:カナダ
付録:Expansion Team Recordsのサンプル楽曲 (MP3)、40ページ・ブックレット
発売元:Stash Media Inc. 販売元:(株)ニューズベース

2009年10月31日

いよいよ開催!エクステンション会場も要チェックの「デザインタイド・トーキョー」

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東京のデザインシーンが最も盛り上がるこの時期。昨日からスタートしたデザインの祭典「デザインタイド・トーキョー」は、メイン会場である東京・六本木のミッドタウン・ホールのほか、東京都内のショップやギャラリーなど、「エクステンション会場」の展示も見逃せない。

エクステンション会場の中でも最大規模の展示スペースを誇るのが、東京・目黒区の「CLASKA」。11月3日(火) まで、「DESIGN TIDE, CLASKA 2009 」と題して 国内外から招いたゲストクリエイターの作品やオリジナルプロダクトの展示をフルボリュームで行う。ロンドン在住のアートディレクターDAMIEN POULAIN(ダミアン・プーラン)によるポップなオブジェ「Totem」シリーズの展示や、プロダクトデザイナー白鳥浩子のプロトタイプアイテム展示・販売、沖恵美子&南風食堂による期間限定カフェ「pop up cafe」など、様々なジャンルの催しが開催される。

他にもエクステンション会場ではアーティストがカスタマイズした鳩時計を展示販売する「ISETAN LIVING ×more trees 鳩時計コレクション」(伊勢丹新宿店)、各都市を巡ったモレスキンを展示する「モレスキン マイ・デトゥア」(青山ブックセンター本店、ナディッフ・アパート他)など、東京中に楽しいイベントが用意されている。各会場の詳細は公式Webサイトまで。

DESIGNTIDE TOKYO
日程:2009年10月30日(金) - 11月3日(火・祝)
時間:11:00 - 21:00(開催日によって変動あり)
入場料:メイン会場は1,000円(1日間)。他会場によって異なる(公式サイト参照)
会場:東京ミッドタウン・ホール(メイン会場) 東京都港区赤坂9-7-1

北川一成が人間力の低下に警鐘を鳴らす?!個展「北川一成」

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北川一成
「体感する人は自由で多様であるべきです。違いの中から共通認識を探りあてたり、また共通認識だと思っていたことが崩れたりするでしょう。その体感の経験が身体に蓄積されます。これらの蓄積された量がいずれ時をもって創造の源泉となることと信じています。(北川)」
細かなニュアンスやテイストを追求した特殊印刷物を得意とするデザインカンパニー、GRAPHを率いる北川一成の個展「北川一成」が、東京・銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリーにて開催される。

独特で人なつっこい造形と、こだわりぬいた印刷表現とで、独自の世界観を創り出す北川氏のデザイン。本エキシビジョンのテーマは、ものごとの合理化やコンピュータ依存によって引き起こされた人間力の低下に警鐘を鳴らし、人間としての豊かさや自由さを問いかけること。観客の身体に働きかけ、多様な解釈を促すエキシビジョンになるという。会期中の11月6日(金)には北川一成+牛居正美(GRAPH印刷職人)、18日(水)には永井一正+北川一成のトークショーも開催される。完璧さと隙が共存する北川氏独特のクリエイティビティの魅力を感じてみよう。

北川一成
日程:2009年11月4日(水)- 11月28日(土)
時間:11:00 - 19:00(土曜日は18時まで) 
休館日:日曜・祝日
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー:中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
入場料:無料

About 2009年10月

2009年10月にブログ「white-screen.jp」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

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